タグ

ブックマーク / moribin.blog114.fc2.com (9)

  • WINEPブログ 新発見:飯舘村のジョロウグモは放射性銀を1000倍に濃縮していた!

    飯舘村で雨の降る中での植物の採取は困難であったので、竹藪や杉林の中で、網を張っているジョロウグモ(Nephila clavata)を捕獲してきました。 クモは直接土をべるかどうかわからないが、網にかかった蝶やアブやカナブンなどをべて林の中の物連鎖の上位に位し、放射性セシウムを濃縮しているだろうと考えたからです。 (図1) 捕獲したジョロウグモを1匹ずつ測定用のポリビンに入れている様子。 ジョロウグモを4匹一緒にしてGe半導体で、放射性セシウム (Cs-137とCs-134) を分析しました(図1)。すると、Cs-137のエネルギーピークである661.7keVの隣の657.8keVの位置にほぼ等量の未知のエネルギーピークを見いだしました(図2)。 (図2) Cs-137のとなりにAg-110mのピークを検出。 これを同定するとAg-110m(銀の核異性体:半減期249.5日)の放出する

  • WINEPブログ 放射能の検出の思い出

    放射能の検出の思い出 1960年に入学した東大教養学部(駒場)の学生の頃、農学部の肥料学教室の教授三井進午教授の「肥料学」の講義を聞いた。 1954年に行われたアメリカの大規模水爆実験を代表とする44回にもわたるビキニ環礁での核実験で、日にも大量の放射能が飛来した。三井先生は講義の中でその話をしたのである。 三井先生は理研の仁科芳雄博士の弟子で、日で最初に東京大学農学部に放射性同位元素(ラジオアイソトープ)実験室を立ち上げた人物でもあったので、この核実験の話をはじめとして、放射性同位元素研究の話は、難解であったが迫力に満ちていた。 先生が日で最初にアメリカの核実験の放射能を検出したのは、4階建ての東大農学部二号館屋上であり、屋上の壁の縁のホコリに放射能があるかと思って、ガイガーカウンターを向けてみると、みるみるうちに数値が上がったので、驚いたということであった。先生は普段から鳥打帽子

  • WINEPブログ 福島原発放射能による土壌汚染に対する今後の課題について

    福島原発放射能による土壌汚染に対する今後の課題について まだまだ福島原発の修復に対しては予断をゆるさない。恐怖の炉心溶融までにはいかないにしても、各号機からの放射能漏れの、完全封鎖には、相当時間がかかりそうだ。煙として目に見えなくても、常時確実に放射能は放出されている。これは、排出時のフィルターろ過装置が破壊されているので、例え、冷却に成功しても、各号機の建家全体が密閉形で再建されなければ、解決されない課題である。 これまで文科省、東海村、都庁などで発表されたどこのデータも、大気の放射線量の測定値であったが、昨日やっと福島原発沿海の海水の放射能汚染のデータが示された。しかしまだ土壌汚染のデータはどの放射線量測定機関からも示されていない。野菜や水道水からも放射能が測定されはじめたことから、当然土壌汚染放射能量も現在進行形で増加していると考えられる。 以下に現時点の放射能汚染土壌状況で野菜とイ

    mobanama
    mobanama 2011/04/03
    3月26日付で作付け延期の支持が県からは出ていたと。国は?
  • WINEPブログ 非常に悔しいことだが、放射能汚染野菜は水で洗っても放射能があまり取り除けない

    テレビの識者が「放射能がついていても野菜は洗えば放射能が10分の一に減少する」と言ったり、最近では半分ぐらいに減少するといったりしている。 文献を調べていたら、すでに1958年の論文で我が研究室の先輩が厳密な実験を行っていることがわかった。以下の文献である。 核爆発に伴う農作物の放射能汚染に関する研究(第4報) 三井進午・天正清・葉可霖・小野勝巳 日土壌学雑誌29巻3号109-116ページ(1958年) 周知のように1945年から1980年までに米、旧ソ連、英国、フランス、および中国は1200回にわたる大気圏及び地下核爆発実験を行っている。この論文では、東京に1956年4月10日に1500cpm/平方メートルの放射能を含んだ雨が降り、6月24日に52500cpm/平方メートルの放射能を含んだ雨が降った時に、5月29日から8月17日の間に東京、川崎、横浜の全54地点について各種の野菜を入手

  • WINEPブログ 「農環研における放射能モニタリング」

    「農環研における放射能モニタリング」 という文献集が農業環境技術研究所のホームページに載せられている。このホームページは後輩から紹介された。驚異的に充実しているので、ぜひ参照ください。 この記事の大略は 「我が国の米、小麦および土壌における90Sr と137Cs濃度の長期モニタリングと変動解析」 駒村美佐子ら、農環研報 24,1021(2006) に納められている。以下に要旨だけ引用しておきたい。 a)   白米と玄米の放射能汚染形態(直接汚染と間接汚染の割合)を解析した結果、白米、玄米とも90Srと137Csが茎葉等から取り込まれる直接汚染の場合は、90Sr と137Csの降下量が極めて多い1963年頃では70-95%を占める。しかし降下量が激減した1990年以降の汚染形態は、直接汚染に代わり、経根吸収による間接汚染が主である。 b)   90Srと 137Csの水田および畑作土内におけ

    mobanama
    mobanama 2011/04/03
    "農水省による、初動操作が強く望まれる"げに。そろそろなんらかの提言が各省庁から出ているベキではないのか。
  • WINEPブログ 現場の農業技術研究者へ(ビキニ放射能による土壌汚染文献の紹介)

    文献紹介(ver6)現場の農業技術研究者へ (ビキニ水爆実験放射能による日の土壌汚染に関する研究文献などの紹介時々改定しています) 以下に、核実験降下放射能(フォールアウト)の農用地汚染に関する、有用と思われる、主として日語の文献目録を紹介致します。 福島原発事故による農用地の放射能汚染対策を構築するための参考資料に活用してください。 目録は、早急に今後少しずつversion upして充実させていきますので、時々振り返って見てください。 以下の文献集は、一部は先輩や同僚や後輩からの紹介によるものです。 文献集 (ver7, 5/4作成) The uptake of strontium and cesium by plants from soil with special references to the unusual cesium uptake by lowland rice an

  • WINEPブログ 原発排水口下から大量の炭を流したらどうか? -海流生態観察目的のための炭プロジェクトを!

    原発排水口下から大量の炭を流したらどうか? -海流生態観察目的のための炭プロジェクトを! 今回の東電福島原発からの放射性排水による海洋汚染に関するデータが出始めた。とてつもない濃度の放射性ヨード131による汚染が始まっている。原発は炉心が一部融解して放射能が漏れているということだから、今後はこれが相当の日数続くと考えなければならない。そうすればヨウ素の吸収力の強い沿岸の、生育の早いワカメやコンブの汚染は避けられないかもしれない。(残念ながら、魚やプランクトンへのへのストロンチウムやセシウムの濃縮係数は文献があるが、ワカメやコンブへのヨードの濃縮係数のデータは、小生は知らない。誰かご存じの方は教えてください) 潮流について、海洋学者の見解は、「だろう」とか「かもしれない」という話が多すぎる。小生の当初の予想どうおり、福島原発の水素爆発以来、科学者のみなさんが、あまりにも呆然として注目していな

    mobanama
    mobanama 2011/04/03
    "政府の抱えている科学者スタッフは、大胆な発想ができずに、後手後手てに回ってるとしか思えない。これは戦争なんだ。科学者も研究者も平時の発想をしていては、すべてが間に合わない"その姿勢だけでも見せて欲しい
  • WINEPブログ 土壌を放射能汚染から守るためにマルチングしよう!(提案2)

    土壌を放射能汚染から守るために土壌をマルチング(被覆)しよう!(提案2) 福島原発の風下の現場の農家の苦悩は大変なものがあるだろう。 放射能による現在進行形の明確な汚染土壌地帯では、野菜の栽培農家なら当面の対策としては、野菜を引き抜かないで放置し、それ以外の面積をすべてマルチングすることである。果樹農家では地上部だけ下草を刈り取って敷き藁にし、なおその上に稲わらなどで樹冠面積(または通常の根回し領域)の全域をマルチし、けっして土壌を精耕しないことである。 野菜農家は精農家ほど除草剤をまいて雑草防除を行っているだろうから、できれば畔間などの裸地には一斉に敷き草(稲わらなどのマルチ)をまんべんなく緊密にやると、今後のこれ以上の放射性降下物による土壌汚染をかなり軽減できるだろう。その作業をするときに、畑に足を深く踏み込まないことである。踏み込むとセシウムなどが物理的に土壌の下層に行くので、将来放

    mobanama
    mobanama 2011/04/03
    どうしてこういう対策案が打ち出されないんだろう。マルチタスキングが出来てないのだろうか。
  • WINEPブログ 土壌汚染核種の作物の可食部への移行係数を用いて、次作の汚染度をシミュレーションする方法について   

    土壌汚染核種の作物の可部への移行係数を用いて、次作の汚染度をシミュレーションする方法について 1.野菜について 放射線核種の移行係数(TF: transfer factor )を以下のように定義して、 農作物(可部)中の放射性核種濃度 (Bq/kg乾物重) TF=―――――――――――――――――― 土壌注の放射性核種濃度(Bq/kg乾燥重) その値を各種の放射性核種のグラフにしたものが下図です。 出典:内田滋夫「水・土壌・農作物と放射能」放射線科学 51,no6,2008. 例えば、この図で一番上の欄のセシウム(Cs-137)のみを見てください。 あくまで表からの読みとりですから、実際の厳密な数字ではありませんが、ホウレンソウ(0.18)、白菜(0.17)、きゃべつ(0.16)、小松菜(0.061)、レタス(0.060)、 大根(0.025)、カブ(0.021)、ニンジン(0.015

  • 1