車線を減らし歩道を拡幅した松山市の街路で、商店街に効果が波及し始めた。従来の費用便益分析では、こうした事業の効果は求められない。SDGsや自動運転、続々と現れる新しい概念に事業評価はどう対応すべきなのか。 松山市の中心部を走る花園町通りで2021年6月20日、約半年ぶりに「お城マルシェ」が開かれた。飲食や物販など約30店のブースが延長50mの歩道にところ狭しと並び、多くの来場者でごった返した。月に1度開かれるこのイベントは大好評。評判は市外にも及び、1日に5000人程度が集まるという。新型コロナウイルス禍で開催頻度は減ったが、それでも人気は衰えない。 マルシェが始まったのは17年。花園町通りのリニューアルがきっかけだった。このプロジェクトから、費用便益分析の限界が透けて見える。 花園町通りは市道で、市の中心駅である松山市駅と松山城の城山公園を結ぶ(写真1)。片側2車線だったが、市が進める「
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