今、中国の書店に足を運ぶと、目覚ましく洗練されてきたことに驚かされるが、中でも目を引くのは絵本コーナーの充実だ。中国に絵本を広めたのは、実は日本の出版社、ポプラ社だ。同社は2005年に中国初の絵本専門書店をオープンした。以来、中国の親子から厚い支持を受けるようになったが、同社は中国でどのように絵本を広め、中国人親子の心を掴んだのか。北京蒲蒲蘭(ププラン)文化発展で副総経理、上海・広州でも董事長兼総経理を務め、中国事業に長く携わる北村明氏にお話をうかがった。 ――そもそも、御社が中国事業に乗り出すきっかけは何だったのでしょうか? 北村氏:1995年に弊社の前々代表である坂井宏先が中国を訪れたとき、絵本がほとんどないという現実を見て驚き、この国に絵本文化を広めようと思ったことからでした。2000年に北京事務所を開き、04年に現地法人を設立。その後、上海、広州にも事務所を開き、現在に至っています