ブックマーク / yeemar.seesaa.net (6)

  • 笹原宏之『訓読みのはなし』を読む

    漢字には何千年の歴史がありますが、時代によって、また地域によって変転をきわめてきました。けっして、使われ方の固定した、万古不易の文字ではありませんでした。日では、漢字は日語の一部として用いられ、中国とはまったく異なった展開を見せました。これは、笹原宏之氏が一貫して追究し、かつ証明してきたところです。 今のコンピュータ時代にあっても、日の漢字は変化し続けています。私自身も、ほうぼうでめずらしい漢字にしばしば出会って、そのたびに驚きます(「文字のスナップ」参照)。とはいえ、以前に比べれば、私たちはペンを持つことが少なくなり、書いた文字を人に見せる機会も減りました。まして、新しい漢字や漢字字体を生み出して流通させることもむずかしくなりました。私たちの書写生活の大部分は、規格化されたコンピュータ文字に支配され、画一化に向かっているとみることもできます。少なくとも、私はそうだろうと思っていまし

    笹原宏之『訓読みのはなし』を読む
    mojiura
    mojiura 2008/11/17
    「おなかぺこぺこ」を「お腹凹凹」と書く件。すばらしい発明だと思った。
  • 「誰・頃」をかなで書く私―常用漢字雑談―

    前回、常用漢字表の改定に関して、「趣旨はまったく賛成」と書きました。社会生活で目にする漢字が増えている現在、漢字表を拡大するのは当然だと思います。ただし、「理解漢字の表」(読めるだけでよい漢字の表)、「書写漢字の表」(書けるようにする漢字の表)の2つに分けて、新追加漢字はすべて理解漢字とするのがよいと述べました。 理解漢字といっても、だれもが理解するだけで書かなければ、その漢字は消えてなくなってしまいます。ここで言う理解漢字とは、学校教育で書かせなくてよく(書きたい人は書いてもよい)、字体・字形を採点対象にしないということです。パソコンや携帯メールでは当然使ってよいということです。 たとえば、「誰」「頃」という字は、現在の常用漢字表には入っていませんが、社会での使用頻度としては上位に来ています(国立国語研究所の『現代雑誌200万字言語調査』など)。新常用漢字表では、おそらく追加候補になるで

    「誰・頃」をかなで書く私―常用漢字雑談―
    mojiura
    mojiura 2008/03/19
    たぶんこれが本質だと(少なくとも本質の一部を形作っていると)思った→「初等・中等教育の段階では、2つの正解は望ましくないので」。高等教育以上の人も、ふたつ以上の正解を認められずにいるのではないかと。
  • 新常用漢字表は字体変えないで

    常用漢字表の改定作業が進行中だと聞きます。文化審議会の資料や、漢字に詳しい人々のウェブサイトなどを見ると、もう主な論点はあらかた出尽くしていて、門外漢が口を出す余地はなさそうです〔7月15日追記。漢字専門でなくとも日語研究者であるからには、「門外漢」というのは無責任なので、取り消します〕。とはいえ、日語で生活する個人として、自分の使う漢字が今後どう決められるのか、不安を感じる点があるのも事実です。ここに素朴な意見を書いておく意味もあるでしょう。 現在の常用漢字表と、社会の漢字使用の実態がかけ離れてきた。これが今回の改定の理由だと理解しています。つまり、漢字表を現実の社会に合わせようということです。子ども(社会)の体形が変わってきたから、それに合わせて服(漢字表)を替えようということですね。この趣旨はまったく賛成です。そこで、関係各位にお願いしたいのは、これと逆に、社会のほうを漢字表に合

    新常用漢字表は字体変えないで
    mojiura
    mojiura 2008/03/17
    まだよくわかっていないのだけど 2 つの疑問。 a.そもそも従来の常用漢字は「字体」を十分に定義できていたのか? b.「漢字」の一部だけを切り出して、その部分だけで「なんとか実用になる」と思うのは幻想では?
  • むずかしい漢字「油ちょう」

    冷凍ギョーザの毒物混入事件が報じられはじめたころ、テレビで毒物混入のルートを探る特集が放送されました。その中で、卸売り業者が冷凍品の輸入元について知らせるファクスが紹介されていました。表の中に、「油ちょう」という見慣れないことばがありました。てづくり野菜かき揚げ40(油ちょう済) 〔略〕 てづくりむきえびかき揚げ60油ちょう (NHK「クローズアップ現代・追跡・毒混入ルート ~中国製ギョーザ 深まる謎~」2008.02.04 19:30)「油ちょう」のような書き方は、「憂うつ」などと同じで交ぜ書きと言われます。もとは二字熟語で、「ちょう」も漢字で書いたはずです。どういう漢字だったのか知りたくなりました。 とりあえず、ウェブサイトを検索してみます。こういう場合、「ゆちょう」のようにひらがなで検索すると、用語解説のサイトなどで、漢字を示しているのに突き当たるものです。ところが、なかなかそれら

    むずかしい漢字「油ちょう」
    mojiura
    mojiura 2008/03/12
    たしかに難しい……。
  • 使うべし、「とんでもございません」

    新宿の地下街で書店に寄った際(3月7日)、『頭がいい人の敬語の使い方』(郷陽二著、日文芸社 2006)というを目にしました。いくつも重ねてあったので、売れているものとみえます。以前に出たなのに今になって気づいたわけは、帯に次のように大書してあったからです。使ってませんか!?/「とんでも/ございません」「おや、自分は『とんでもございません』という言い方を使っているが、誤りなのだろうか?」と思った人が手に取ることをねらっているものとみえます。 この「とんでもございません」は、たしかに、よく敬語の誤りの例として出されるものです。それで、帯で訴えるのにふさわしいと出版社は判断したのでしょう。インターネット書店で確認したかぎりでは(買わなかったので)、「「とんでもございません」はとんでもない誤用」という章または節もあるようです。 筆者の文章の細かいニュアンスを知らずにいうのも気が引けますが、

    使うべし、「とんでもございません」
    mojiura
    mojiura 2008/03/10
    「とんでもございません」が誤用だとも言い切れない件について(逆に、誤用だと言い切ることができるケースって、どのくらいあるんだろう?)
  • 昭和を騒がせた漢字たち

    円満字二郎著『昭和を騒がせた漢字たち』(吉川弘文館 2007)がベストセラーになっています。すでに的確な書評はいくつも出ていますが、好きななので、遅ればせながら、感想めいたものを書いておきます。 このは、題名から分かるとおり、昭和(戦後)の歴史と漢字との関わりを、いくつかの具体的な事件を中心にして論じるものです。私自身、ことばや文字が好きなのは当然として、戦後の歴史にもオタク的な興味があり、NHK「THE NEWS」(戦後のニュースハイライトが1年1巻にまとまっている)などというビデオを見ては楽しんでいるので、書はいわば「ツボにはまった」という感じです。一気に読んでしまいました。 書に出て来る「漢字にまつわる事件」は、知らないものが多くありました。たとえば、戦後いったん「郵政省」になった役所を「逓信省」に戻そうという動きがあったこと(その中心人物は田中角栄)。専売公社のたばこ「おお

    昭和を騒がせた漢字たち
    mojiura
    mojiura 2008/03/08
    「福丼県」知りませんでした。どこまでいっても知らないことばかりだなあ。
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