猛暑続きのなか、永田町が荒れている。 <またぞろ「小沢政局」か> のタイトルで当コラムを書いたのは昨年暮れだった。9月の民主党代表選で、菅直人首相に敗れ、ナリをひそめていた小沢一郎元代表が、 「今は動けないが、非常時になれば最後は動く」 と述べたのがきっかけである。尖閣諸島事件の失態や柳田稔法相の舌禍などが続いて菅政権には早くもカゲりが見えたころだ。 小沢は政界の非常時を想定していたらしい。3・11東日本大震災はもちろん想定に含まれていないが、大震災の突発で非常時のレベルが数段上がり、案の定、小沢は動き始めた--。 菅首相の退陣が確定したのが10日、その夜、与野党議員たちは会合に顔を出すと、 「143人だぞ」 と口々に同じ数字をあげた。この日、小沢が狙いを定めたように参院議員会館で講演会を開き、それに出席した衆参両院議員の数だ。 ポスト菅争いの本番を前に、党内最大勢力の結束を誇示したもの、