拡大 赤瀬川原平さんの小説「再出発」が掲載された新世紀群機関誌の16号(左、大分県立図書館所蔵)と15号の複写 前衛美術家として活躍し、ベストセラーとなった「老人力」や「超芸術トマソン」などの著作でも知られる芥川賞作家の赤瀬川原平さん(1937~2014)が、20歳の頃に書いた幻の初期小説が見つかった。赤瀬川さんが参加した大分市の美術サークル「新世紀群」の機関誌に掲載されていた。赤瀬川さんと長年親交があった編集者は「書籍化されておらず、その後の小説へとつながる原点」と高く評価する。 見つかった小説のタイトルは「再出発」。機関誌の15号(1957年10月)と16号(58年3月)に2回に分けて掲載された。原稿用紙7枚ほどの短編で、赤瀬川克彦と本名が記されている。15号は福岡市の美術研究家が複写を、16号は大分県立図書館が原物を所蔵していた。 作品は、ある日、「トランプの夢」から目覚めた「彼」が