リベラリズムを考える10冊 橋本努 『インターコミュニケーション』no.33, 2000.5. 「特集 21世紀のための500冊/IC版ミレニアム・ブックガイド」 リベラリズム(自由主義)は自由を最大限に重んじる思想ではない。例えば、自由の意味を「解放」としてこれを重んじる思想は、マルクス主義や神学であって、リベラリズムではない。また自由を「強制の排除」とみなしてこれを最大限に重んじる立場は、アナーキズムやリバタリアニズムであって、リベラリズムの本流からは少し外れる。現代のリベラリズムにはさまざまなバージョンがあるので、「リベラリズムというのはこういうものだ」と総括しても、実はあまり理解したことにはならない。むしろ必要なのは、自分にとって自由とは何か、いまの社会にとって必要な自由とはどのようなものか、といった問題について、自分なりに筋の通る考えを作っていくことだろう。 そのために押さえてお