住宅ローンを滞納した埼玉県の男性(48)のもとに銀行から届いた、自宅マンションの「競売通告」(個人のプライバシーを守るため、一部を黒塗りにしています)(撮影/写真部・戸嶋日菜乃) 新型コロナの影響から住宅ローンを払えなくなる人が増えている。それに伴い、任意売却や返済条件の見直しを迫られる人も多い。人間にとって大切な生活の基盤が今、揺らぎ始めている。AERA 2020年10月19日号はその実情を追った。 【グラフを見る】こんなにも長期化が… 中高年の「ひきこもり」実態はこちら * * * 「まさか、家をなくすとは思ってもみませんでした」 イベント関連の運送会社でドライバーをしている埼玉県の男性(48)は、言葉少なに語る。 男性は20年ほど前に埼玉県内に2700万円のマンションを購入し、住宅ローンを組んだ。月給は約26万円で、月々の支払いは約12万円。母親と2人暮らしで余裕はなかったが、順