複数の目標と複数の政策手段 4月の20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前にして、国際通貨基金(IMF)主催の「マクロ再考II」会議がワシントンで開催された。IMFチーフエコノミストであるオリビエ・ブランシャール氏とノーベル経済学賞を受賞したマイケル・スペンス・ニューヨーク大学教授、ジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授らの呼びかけによるものである。 金融政策のセッションのタイトルは、2年前のマクロ再考会議と同じで「金融政策:複数の目標、複数の政策手段、われわれは何処に位置しているのか?」であった。ジャネット・イエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の司会の下でマーヴィン・キング・イングランド銀行総裁、ビーニ・スマギ・元ECB理事、マイケル・ウッドフォード・コロンビア大学教授のパネル討論があった。なかでもキング総裁のプレゼンテーションは明快であった。キング総裁は、現在の中