本稿は、公益財団法人 中東調査会発行『中東調査 No.516(2013年2月22日)』に掲載された廣瀬陽子「シリア問題をめぐるロシアの戦略――地政学的思惑と限界(58-68頁)」からの転載となります。昨今のシリア情勢を受け、ロシアのシリア外交についてのご執筆を廣瀬様にお願いしたところ、本稿の転載をご快諾いただき掲載の運びとなりました。ご執筆日(2013 年1月10日脱稿)から半年以上の日が経っておりますが、現下におけるロシアのシリア外交について参考いただければ幸いです。 シリアでの混乱が長期化する中、欧米の意向に反し、ロシアはシリアの体制派、すなわちバッシャール・アル=アサド大統領を支持してきた。シリアに対する制裁を警告する国連安全保障理事会(安保理)決議案は、ロシアと中国による3 度の拒否権発動により、否決されてきたし、ロシアはアサド側に武器や兵器の供与を続けていることでも諸外国から批判
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