鎌倉の仏像に詳しい浅見龍介さんです。 浅見 「他の地域のお像と際立って違うところは、非常に中国的な色彩が強いというところです。他の地域では見られないような種類のお像、あるいは姿をしているお像がたくさん鎌倉には残っているということがいえます」 鎌倉の仏様が中国風なのには、深いわけがあるのです。 鎌倉の美鑑賞、一つ目のツボは、 「仏像に中国モードを探せ」 こちらは「鎌倉の美女」と称される東慶寺・水月観音。実はこの仏像には、鎌倉周辺にしか見られない特色があります。 それは、足を崩し腰掛けた姿。 実はこのくつろいだポーズは、中国で流行したものなのです。 中国では宋の時代、観音信仰と中国土着の仙人の思想が交じり合い、新しい形の仏像が広まっていました。 鎌倉では、こうした像をモデルに足を組んだ姿の観音様が積極的に作られたのです。