才能のない子にどうやって美術への進路を思いとどまらせるか 芸大を出て、作家活動をしながら十数年美術系の予備校講師、その後美術系大学非常勤講師(六年前に美術作家は廃業した)をしてきた立場から見ると、いろいろ思うところはあるが、基本的にはどんなに反対してもやる人はやるし、それで食えなくてもやり続ける人はいる。というか、大概は制作だけでは生活していけないので、先生稼業をしながら続けるケースがやはり多い。 私の同級生(東京芸大彫刻科1982年学部卒業)で言うと、21人のうち、母校の先生になった人が一人いる(それ以外の大学でもいるかもしれないが知らない)が、作家活動が注目されて名前を美術手帖などでよく見るような人は今は一人もいない。たぶんひっそりと続けている人はいると思うが、一つ上の学年でも同じようなものだ。 ちなみに日比野克彦はデザイン科の同学年(今、芸大の教授)、村上隆は三年下の日本画科。奈良美