(上)より続く。 <その6> 日本の博士号取得者の置かれている状況 日本の製薬企業の研究においては、学位による研究者間の序列は、逆に明確ではない。たとえ博士号を持って入社したとしても、最初の数年は上司について丁稚奉公だし、修士や学士号しか持っていなくても(最近は減ったが)昇給が多少遅いだけで同じだ。中国では、修士号取得者の初任給と、博士号取得者の初任給では、倍近い開きがあるが、日本では博士号を取った研究者に、給与において今ひとつメリットがない。ドイツのように、最初からプロジェクトを丸ごと任されることもないし、逆に責任を負わされることもない。 会社によっては、ある程度、研究者の意思でテーマを選び、実験できる企業もあるようだ。だが、博士号を持っているから、修士号しかないからと、テーマや実験のレベルに制限はつかない。日本では、研究者は学位に関わらず、皆平等に扱われる。日本の研究者は、最初は皆実験
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