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佐藤亜紀に関するmoya_augのブックマーク (2)

  • 佐藤亜紀『雲雀』 - 『書物の迷宮』予告篇

    佐藤亜紀の文章は、何かが自分が読みながらイメージを作るタイミングとズレているらしく、いつも引っ掛かりを覚えていたのだけれど、『雲雀』はある程度読み続けていたら、その感覚がなくなった。 そのせいか、この作品が今まで読んだ佐藤亜紀作品の中で、一番読みやすかった気がする。 佐藤亜紀の重厚というか、格調高いというか、そういう文体がとても好きなのだが、今回はイメージの引っ掛かりがなかったおかげで今まで一番面白く読めた気がする。 『天使』『雲雀』で使われる「感覚」の描写が結構好き。ところでこの描写って、竹宮惠子の『地球へ……』の「ミュウ」っぽいところがあるなぁ*1。 図書館の閉架の方に、『鏡の影』があるのを発見したので、今読んでいる『掠奪美術館』が読み終わったら借りてこよう。 その前にニール・スティーブンスンの『ダイヤモンド・エイジ』も読まねば。 *1:イメージ的に。

    佐藤亜紀『雲雀』 - 『書物の迷宮』予告篇
  • asahi.com(朝日新聞社):ミノタウロス [著]佐藤亜紀 - 書評 - BOOK

    ミノタウロス [著]佐藤亜紀[掲載]2007年7月8日[評者]鴻巣友季子(翻訳家)■「荒野」の果てになお残る情動の振幅 舞台は、二十世紀初頭、ロシア革命前後の、内戦が続くウクライナ。作者の得意とする題材で、冒頭から引きこまれる。主人公/語り手は、奇妙な経緯から地主に成り上がった男の次男、ヴァシリ・オフチニコフ。教養高く、世の中を舐(な)めてはいるが、自分のような息子たちはみな、「同形の金型から鋳抜かれた部品のように」「取り替えがきく」のだと自覚している。後半部では、父の死後、兄の命と土地財産を失い、ドイツ兵のはぐれ者たちと殺戮(さつりく)、略奪を繰り返すさまが、センセーションを排して描かれる。 作品が向かうのはどこか。戦争のおぞましさや、人心に巣くうミノタウロス(獣心)を書くことか。そういう副次的な効果もないではないが、目指すは「エンパシー(感情移入)ゼロ地点」とも言うべき地平ではないか。

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