佐藤亜紀の文章は、何かが自分が読みながらイメージを作るタイミングとズレているらしく、いつも引っ掛かりを覚えていたのだけれど、『雲雀』はある程度読み続けていたら、その感覚がなくなった。 そのせいか、この作品が今まで読んだ佐藤亜紀作品の中で、一番読みやすかった気がする。 佐藤亜紀の重厚というか、格調高いというか、そういう文体がとても好きなのだが、今回はイメージの引っ掛かりがなかったおかげで今まで一番面白く読めた気がする。 『天使』『雲雀』で使われる「感覚」の描写が結構好き。ところでこの描写って、竹宮惠子の『地球へ……』の「ミュウ」っぽいところがあるなぁ*1。 図書館の閉架の方に、『鏡の影』があるのを発見したので、今読んでいる『掠奪美術館』が読み終わったら借りてこよう。 その前にニール・スティーブンスンの『ダイヤモンド・エイジ』も読まねば。 *1:イメージ的に。