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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (14)

  • 経済成長というゲームの終わり - 池田信夫 blog

    今週のニューズウィークにも書いたが、JALの年金債務は、日の他の企業にも通じる深刻な問題だ。日経新聞の今年3月の集計によれば、主要上場企業の年金・退職金の積立不足は総額約13兆円と、前年比で倍増した。この最大の原因は、株安によって年金原資が大幅に減ったためだ。上位10社は次のとおり:日立製作所:6866億円 NTT:5763億円 東芝:5446億円 ホンダ:4566億円 パナソニック:4188億円 三菱電機:4039億円 富士通:4001億円 トヨタ自動車:3929億円 NEC:3483億円 日航空:3314億円どの企業でも、積立不足の額は積立額に近いか上回っており、年金積立のほぼ半分が不足している。こうした年金債務は現在の会計基準では計上しなくてもよいので「簿外債務」になっているが、今度のJALのように企業が破綻するリスクが出てくると現実の債務となる。国際会計基準が

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    msk 2009/10/02
  • 技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか - 池田信夫 blog

    最近、IT業界で流行するバズワードはオープン・イノベーションだ。先日あるシンポジウムで、3人のITゼネコンの取締役が講演し、そのプレゼンテーションの最後のスライドがすべて「オープン・イノベーション」だったのには唖然とした。ひどいのは、役所の公的資金注入までオープン・イノベーションと自称している。 著者は、この言葉は使う人ごとに違う意味で都合よく使われ、ほとんど無定義語になっていると批判する。これはチェスブロウの2003年ののタイトルだが、もともとかなり曖昧な概念だった。オープンの意味が「技術をすべて公開しろ」という意味ならナンセンスだし、「必要なものはオープンにしろ」という意味なら自明だ。何をオープンにして何をクローズドにするかという基準なしに流行語を使っても、戦略として意味をなさない。 書のいささかベタなタイトルの答は、「いくら要素技術が優秀でもプラットフォームを取られたら負ける

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    msk 2009/08/07
  • 不況に強いSNS

    不況の影響はIT産業にも及び、アップルなどの株価が大幅に下がっている。他方、Economist誌は「不況に強いSNS」としてLinkedInをあげている。特に最近、メンバーが急増し、3000万人と1年で倍増した。Facebookの1億1000万人にはとても及ばないが、Facebookが赤字なのに対して、LinkedInはすでに黒字だ。 その理由は、LinkedInが仮想人材バンクだからである。私も5年前からアカウントをもっているが、くわしく経歴を書いて自分を売り込み、職を求めているときは希望する企業にリンクを張ってレジュメを送る。ただ普通のサラリーマンは公然と「職をさがしている」とは書けないから、アカウントを隠すこともできる。他方、人材を探している企業は特別の料金を払えば、そういう隠れた求職者にもアクセスでき、求める専門技能とのマッチングもできる。この法人料金でもうけているのだ。 同じ

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    msk 2008/10/22
  • 10年は泥のように働け - 池田信夫 blog

    IPA主催による、IT業界の重鎮と学生の対話集会が、今年も開かれた。去年の集会では「3Kの“帰れない”は、帰りたくない人が帰れないだけ。スケジュール管理の問題だ」という重鎮の発言で、かえってIT業界のネガティブイメージが定着してしまったが、今年はIPAの西垣浩司理事長(元NEC社長)の「入社して最初の10年は泥のように働いてもらい、次の10年は徹底的に勉強してもらう」という発言に、学生はみんな唖然としたらしい。 これは伊藤忠の丹羽宇一郎会長の言葉で、このあと「最後の10年はマネジメントを大いにやってもらう」と続くそうだが、これじゃ霞ヶ関の役人と同じだ。若いときは「雑巾がけ」で会社にご奉公し、年をとってから楽なマネジメントで取り返すという徒弟修業型のキャリアパスは、組織が永遠に不変で、自分がそこに定年まで終身雇用で勤務するという前提でのみ成り立つインセンティブ・システムである。 日の年

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    msk 2008/05/29
    "多作で知られる松本 清張さんは1909年12月21日生まれで、処女作を発表したのは1950年の朝日新聞社勤務中に書いた処女作「西郷札」でした。このとき実に41歳。"
  • 地球温暖化バブル - 池田信夫 blog

    『季刊AT』という雑誌に、槌田敦氏の「温暖化の脅威を語る気象学者たちのこじつけ理論」という論文が出ている。著者は著名な物理学者で、この原文は今年の国際学会誌に掲載されたものであり、トンデモ論文ではない。その主要な論点は、地球温暖化は、CO2蓄積の原因であって結果ではない CO2濃度の上昇の主要な原因は、気温上昇であって人間活動ではないということである。くわしい論証は英文論文にあるが、その意味は図1をみただけでもわかるだろう。この図は過去22万年間のCO2濃度と気温変化(ΔT)とメタン(CH4)濃度を比較したIPCCのデータだが、ほぼ完全な相関関係がみられる。絶対的な気温でみても、現代より1000年前の「中世温暖期」のほうが気温が高く、最高気温は10万年前に記録されている。この原因が人間活動でないことは明らかである。 この相関をCO2上昇→気温上昇という因果関係と解釈するのが大方の見方だが

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    msk 2008/05/09
    温暖化関係(CO2削減関係)はビジネスの種になっているから流行っているので、本質とは関係ないのは同意。でも流行しているのでやらなきゃならないんだけど。
  • 「社会工学」はなぜ失敗するのか - 池田信夫 blog

    けさの日経新聞に2面ぶち抜きで、先日の記事でも紹介した「情報大航海プロジェクト」のシンポジウムの広告が出ている。予算規模は150億円と、官製談合の疑いの強い京速計算機に比べれば1桁小さいし、勝手にこけるのはほっとけばいいという意見も多いが、ここまで大々的に世の中をミスリードするのは困るので、なぜこういう愚行が繰り返されるのか、経済学的に考えてみた。 最大の原因は、日の製造業の成功体験しか知らない理科系の研究者が中心になっていることだ。これは必ずしも彼らが御用学者として役所に迎合しているためではなく、キレた長老教授のように、主観的には「計画的に日の科学技術を総合して若手を育成する必要がある」と考えているのだ。しかし、このような(内田樹氏が一知半解で推奨している)社会工学という考え方こそ、ハイエクがポパーを批判した社会主義の発想である。 自然科学者が、特定の目的を実現するために物理法則

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    msk 2008/04/22
    "特に情報産業のようにイノベーションの激しい部門では、人々や企業の目的を集計して計画を立てているうちに状況は変わってしまう"
  • オープンビジネスモデル - 池田信夫 blog

    昔、NTTの人にこんな話を聞いたことがある:1970年ごろ、研究所でデータ通信として2つの方式が実装された。一つはX.25のようなコネクション型で、これが電電公社の「データ通信」になった。もう一つは、コネクションレスのデータグラム(パケット)型だった。TCP/IPが実装されたのは1972年ごろだから、これは世界で初めて実際に動いたパケット通信だった。彼は「せめて両方やらせてほしい」と上司に提案したが、データグラム型の開発は中止された。あのまま進めていれば、NTTがインターネットの生みの親になっていたかもしれない。 NTTに限らず、日の大企業には「中央研究所」で基礎研究から製品開発までやるところが多いが、書はそうした「クローズド・イノベーション」の時代は終わったと論じている。その一つの欠陥は、上の例にみられるように、経営者が研究開発をコントロールするため、false positiveに

  • YouTubeを拒絶する日本メディアのカルテル体質 - 池田信夫 blog

    の権利者団体とYouTubeの協議が終わった。交渉はほとんど進展がなく、YouTubeが日語の警告文を出すことぐらいしか決まらなかったようだ。日側は強硬な態度を見せているが、実際にはその立場は弱い。YouTubeはアメリカの著作権法のもとで運営されており、日人の要求に従う義務はないからだ。 この状況で、日の権利者が大量に削除要求を出しても、何も得るものはない。むしろ番組のPR効果を自分で減殺しているだけだ。それよりも、YouTubeに料金の支払いを求めてはどうか。もちろん彼らが収入を上げるようになったらの話だが、たとえば広告収入の何%かを支払うという契約を結び、その代わり許諾権は放棄するのだ。実際にも、毎日10万近い投稿についてすべて事前に許諾を得るのは不可能だ。 こういう考え方を、法学で賠償責任ルール(liability rule)と呼ぶ。財産権のような財産ルール(pr

  • 地球環境危機はこうして偽造される - 池田信夫 blog

    高木さんの「棒グラフ捏造シリーズ」の続編が出ている。おもしろいので、これに便乗して、地球温暖化のデータがいかに偽造(捏造とまではいわない)されているかをみてみよう。一番ひどいのは「今後100年間で気温6.4度上昇との予測」という見出しを掲げたTBSだ:報告書は未来のシナリオについて、このままの経済成長を続けた場合や省エネや環境保護が進んだ場合などいくつか用意されたのですが、最悪の場合でこれからの100年で6.4度もの平均気温の上昇が考えられるという数字が示されました。まず基的なことだが、IPCCの予測は1980-99年の平均気温を基準にして2090-99年の平均気温を予測するもので、「これからの100年」ではない。しかも記者会見で気温上昇の予測が1.8-4度と発表されたことは無視して最悪の数字だけを取り上げ、最大とも書かずに「6.4度上昇」という断定的な見出しをつける。同じように誇大な数

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    msk 2007/02/06
  • NGN対P2P - 池田信夫 blog

    きのうのICPFセミナーで、スカイプの岩田さんの話を聞いて、ちょっと考えさせられた。 最初こちらで決めたタイトルは「スカイプが変えるIP電話の世界」だったが、先方からの注文で「スカイプが変えるインターネット・テレフォニーの世界」と変更した。その理由は、チャットやSkypecastと呼ばれる不特定多数の人が参加できる多人数電話(アマチュア無線ユーザーが多いという)など、さまざまな形のコミュニケーションが可能になり、スカイプは今では「多機能コラボレーション・ツール」ともいうべきものになっているからだ。 フュージョンと提携して050番号もとれるようになったし、携帯端末への組み込みも進んでいるので、今後はスカイプのアカウントさえあれば固定でも携帯でも送受信できるFMCが可能になるだろう。ドコモなどは端末でアプリケーションを動かせないように囲い込みをしているが、ノキアのE61のようなSIMロック

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    msk 2007/01/26
  • 池田信夫 blog 日本でiPhoneが使えるようにする方法

    このところのケータイ業界の話題はiPhoneで持ち切りだが、日で今ひとつ盛り上がらないのは、それが電話として使えないからだろう。「アジアでは2008年に発売」となっているが、これは日韓国を除くアジアという意味だ。日で使うには3G(W-CDMAかEV-DO)をサポートしなければならないが、今のところ"3G iPhone"は噂の域を出ていない。 アップルが3GではなくGSMを採用したことに驚いている向きもあるようだが、グローバルな企業としては、この選択は当たり前だ。世界の市場シェアをみれば、GSM/EDGEが83%あるのに対して、W-CDMAとEV-DOは合計しても12%しかない。特にiPhoneWi-Fiを搭載しているので、ブロードバンドのサービスはインターネットでと割り切れば、携帯電話はGSMで十分だ。ジョブズは「将来は3Gもサポートしたい」と言ったそうだが、過剰品質の日で使

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    msk 2007/01/19
  • 池田信夫 blog ビジネスマンが2ちゃんねるから学ぶべきこと

    2ちゃんねるの閉鎖が秒読みに入ったようだ。世の中では民事の差し押さえが話題になっているが、私の印象では、ひろゆきが「年収は日の人口より多い」などと公言していることのほうが引っかかると思う。国税がこういう発言を放置するとは思えないし、警察も裁判所の命令を公然と無視し続ける人物を見逃さないだろう。 ひろゆきは「賠償金を取る方法はない」と高をくくっているようだが、バブルの処理のときは、同様に開き直る不動産業者を警察は「競売妨害」などの罪で大量に投獄した。要は「あいつは悪い奴だ」というコンセンサスができるかどうかが問題で、そういう「国策」があれば犯罪は(よしあしはともかく)いくらでもつくれるのだ。ライブドアやWinnyには擁護論が高まったが、2ちゃんねるが閉鎖されても同情する人はほとんどいないだろう。 私も2ちゃんねるはほとんど読まないので、閉鎖されたとしても惜しむ気にはまったくならない。そ

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    msk 2007/01/17
    "オープンソースや「ユーザー生成コンテンツ」を支えているのは、金銭的なインセンティヴではなく、ユーザーが情報を提供するモチベーション"、日本の大企業はそれを理解していない。
  • 同和のタブー - 池田信夫 blog

    5年間にわたって「長期休暇」をとっていた奈良市の元職員が、職務強要の容疑で逮捕された。この事件質は、問題の男が部落解放同盟の支部長だったという点につきる。一方、同和事業をめぐる不祥事があいつぐ大阪市では、関市長が「(部落を)特別扱いはしない。過去のやり方とは決別する」として同和事業の大幅な整理を打ち出した。この種の事件を黙殺してきたメディアも、この問題を取り上げるようになった。ようやく同和のタブーが破られはじめたのだろうか。 関東に住む人には、なぜ解放同盟がそんなに強いのか想像できないかもしれないが、関西に住む人にはたいてい何か思い当たる経験があるだろう。私の出身は京都で、高校の学区の中には日最大の被差別部落があったので、校内で解放同盟と対立組織の乱闘が起こったり、教師が生徒の面前で「糾弾」されるなどの事件は珍しくなかった。 メディアの差別語を作り出した責任も、解放同盟にある。あ

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    msk 2006/11/16
  • 日の丸検索エンジン - 池田信夫 blog

    先週の「シグマ計画」についての記事には多くのアクセスがあり、1日のページビューが1万を超えた。今週の『サンデー毎日』にも「国策検索エンジンは300億円をドブに捨てる!?」という記事が出ているが、当事者以外から肯定的な評価はまったくない。「日の丸検索エンジン」が成功する可能性は、客観的にみてゼロに近いと思われるが、むしろ興味あるのは、そういう失敗がなぜ繰り返されるのかという問題である。当ブログは経産省でも読まれているようなので、少し専門的で長くなるが、これを経済学的に考えてみる。 こうした「産業政策」についての実証研究としては、三輪芳朗他『産業政策論の誤解』、マイケル・ポーター他『日の競争戦略』などが知られている。いずれも「産業政策は最初から失敗の連続であり、日で成功した産業は政府が放置した部門だった」という結論を出しているが、これはいささか疑問である。終戦直後の日の製造業のように、

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    msk 2006/09/07
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