実社会のコミュ力が問われるセキュリティコンテスト 「……はい、白浜商事でございます」。 突然鳴り響く電話に慌てることなく受話器をとった学生は、チームごとに割り当てられた社名を名乗った。そして先方が伝えるトラブルの状況を手早くメモして電話を切り、聞き耳を立てて待ち構えるチームメンバーに振り返って状況を報告。こうして決勝戦第1問目への挑戦が始まった。 2015年5月、和歌山県の南紀白浜で大学対抗セキュリティコンテスト「情報危機管理コンテスト」が開催された。「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」と併催される同コンテストは、今年で10回目を迎える。 「当初は、(ゲーム形式でセキュリティの技術力や知識力を競う)CTF(Capture the Flag)をやろうと考えていた」。そう話す、同コンテストの発案者で総指揮を執る和歌山大学の川橋(泉)裕氏は、「でも白浜シンポジウムは警察関係者と情報セキュリテ