本書について知らない方は、まずは『でっちあげ』のプレミアム・レビューをどうぞ。 事件が発覚したのは2003年。本書が単行本として世に出たのが2007年。2010年に文庫化され、とうとう今年、第9刷にてこの事件の完全決着までが収録された決定版が出来上がった。著者はもちろんだろうが、上梓された直後に読み、賛成・反対、様々な意見に晒されたところをつぶさに見てきた私も、とてもほっとしている。 全国で初めて「教師によるいじめ」という体罰が発覚し、マスコミが過熱する。報道合戦が繰り広げられ、被害者の両親がメディアに登場して、教師からいかに酷いいじめを受けたかを語る。もちろん世間は同情し、担当教諭は「史上最悪の殺人教師」と呼ばれた。誰も死んでいないにも関わらず、だ。 ワイドショウや週刊誌の報道はそこまでだ。その後の経緯や裁判の結果など、一切報道しない。日々事件は起こり、天災が降りかかる。地方で起こったち
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