【小宮山亮磨、下司佳代子】全身の筋肉が骨に変わっていく難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の患者の皮膚からiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくり、実際の病気と同じような骨への変化を再現できたと、京都大が25日発表した。病気の詳しい仕組みの理解や薬の開発につながる可能性があるという。 京大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の戸口田淳也教授らは複数のFOP患者から皮膚の細胞を採取し、iPS細胞を作製して培養。FOPではない人から作ったiPS細胞と比べると、骨の成分であるカルシウムなどミネラル成分が多く沈着していた。たまったミネラル成分の内部には、実際の骨と同じような繊維状のコラーゲン組織ができていることも確かめた。 FOPは200万人に1人が発症するという難病。研究のため患者の病気部分の組織を採取すると病気が進行してしまう。患者の筋肉細胞では、細胞表面で骨を作る合図を受け取る役目をしている