2014年08月27日、五十嵐が生還した。syrup16gが再び動き出した。 あのまだ寒い武道館の日から犬が吠えるを挟み、2013年のNHKホールで五十嵐の横に立ったのはこれまで支え続けてきた二人だった。ソロでUKFCのステージに立ちCOPYの曲を弾き語り、そこからの空白の一年。また表舞台から消えるのかとソワソワしていた私達に告げられたのは「syrup16g再始動」と、全曲未発表の書き下ろしで固められた8枚目のオリジナルアルバム『Hurt』のリリースであった。 たとえば社会を形成している多数にあたる社会人や、それ以前に人として生活をする上で必要とされるコミュニケーション能力が五十嵐には欠落している。きっと音楽が無ければ人と繋がることはできず、自己表現もできないだろう。そんな彼には中畑大樹という理解者と、キタダマキという五十嵐の紡ぐ曲を具現化するために多くを許容してくれる存在が必要だった。も