週末の京都市内は阿鼻叫喚の観光地獄である。 デジタル一眼レフカメラをぶらさげて、お京阪で祇園四条に乗り込んだはいいけれど、地上に出た途端、歩道を埋め尽くさんばかりの観光客に心が折れた。いきなり、折れた。四条通を八坂神社まで流されて行く気力すら湧いてこない。八坂神社から円山公園を舐めて高台寺を横目に清水寺まで巡るという東山定番コースを放棄して、全力で逃げることにした。といっても、洛中で人混みを避けるのは割と簡単だ。碁盤の筋を一本逸れるだけでいい。まあ、どうしても観光名所を巡りたいなら仕方ない。けれども、のんびり京都の雰囲気を楽しむなら、あえて道を逸れるのも悪くない。 そんなわけで、人のいない地味な京都を撮ってきた。 四条通にあって観光客とは無縁の「仲源寺」。本尊の地蔵菩薩に、重文の観音様も。 四条通から花見小路に入ってもまだ人は多い。早く路地に逃げ込まねば。 舞妓さんのセットなどする「キヌ美