「メタル・マシーン・ミュージック」についてのインタビューだったと思うのだけど、うまく話しが噛み合わず、ぎごちない雰囲気のまま取材を終えたことがあった。 翌日、レコード会社の人が海苔を僕のところに持って来た。ルー・リードが昨日のジャーナリストに渡してくれと頼んだらしい。 昨日はうまく話せなかったが、自分の言いたかったのは、このアルバムは日本の海苔のようなものだ、ということだった。だからこの海苔を食べてくれると嬉しいというのが、彼のメッセージだった。 何だかキツネに摘まれた気分で、とても戸惑った。ひょっとして馬鹿にされているのかとも思ったが、レコード会社の人が言うにはルー・リードはうまく話せなかったことをとても気にしていて、あのジャーナリストならこの海苔を渡せば分かるはずだと真剣に語っていたらしい。 残念ながら僕は彼の期待には応えられず、今だに海苔の意味を理解できないでいる。 本当に優しい人な