記事番号:4827(1998年09月03日13時46分37秒) 北京亭の箸袋----あるいは「中国」と「支那」の思想的意味。 先日、仕事がひけた後、東京・神保町の内山書店を覗いてみました。 実は、「支那」(という言葉)についてまとまった形で論を展開している書物は意外に少ないのですね。呉智英の超歴史的・文脈無視の「支那」擁護論を除けば、私が知る限り、竹内好の『中国を知るために』(勁草書房)くらいです。10年ほど前に読んだのですが、引っ越しで本を整理した際に古本屋に売ってしまったために、手元にありません。そこで再入手しようとして内山に行ったのですが、なぜか竹内の著作は魯迅の翻訳を除くと、一冊も見あたらず、結局無駄足でした。 それにしても、中国書の専門店に竹内好がないというのは、ちょっとしたショックでした。最近の中国語学習者は、竹内好なぞ知らないのかしら。竹内のアジア主義は全否定されなければなら