新書『「山上徹也」とは何者だったのか』(講談社+α新書)を刊行してからひと月となる。好意的な評価の一方、ネット上では「鈴木エイトが山上徹也を教唆した」などといった言説を唱える人も少なからず散見された。様々な反応があったなかから、私にとって特筆すべきこととしてある人物からのコンタクトを挙げたい。 キーパーソンからの連絡 書籍の中で言及した統一教会奈良地区の元教会長W氏から連絡をもらったのは、刊行から10日程経った7月末のことだった。山上家への当初の5000万円の返金手続きなどを率先しておこない、山上家をよく知る人物だ。書籍に記したW氏の教団内での“人事異動”に関し間違いがあるとのことで、クレームではなく事実関係の経緯を知らせてくれるものだった。 やり取りをするなかで私と会うことを承諾してくれたW氏。実際に東京駅近くのカフェで会ったのは8月6日の朝だった。W氏は60歳前後のがっしりした男性。