190万都市札幌の通勤・通学の足として活躍するJR学園都市線(札沼線)の電化開業が、いよいよ目前に迫ってきました。函館本線と分岐する起点・桑園駅から北海道医療大学駅までの28.9㎞、下り列車の場合、51本中38本が電車に置き換わり、残る気動車(ディーゼルカー)13本中9本が電車以上の高性能を誇るキハ201系で、旧来型の気動車は午前中に3本が残るのみとなります。ところで、いまさらなのですが、なぜこの区間を電化することになったのでしょう? その理由をひも解いてみたいと思います。 「電化で新型電車を投入でき、時間短縮や混雑緩和が図れる」。2009年12月10日、JR篠路駅近くの特設会場で開かれた札沼線電化事業起工式で、当時の中島尚俊JR北海道社長は、主催者あいさつで出席した40人に、こう呼びかけました。 なぜ「新型電車」を投入すると、「時間短縮や混雑緩和が図れる」のでしょうか。まず時間短縮から考