ただ,ネイティブ方式はNGNからインターネットに直接接続する形になる。ISPの存在意義が薄れるため,JAIPAがネイティブ方式を積極的に採用するとは考えにくく,トンネル方式が有力と見られている。トンネル方式は終端装置の設置場所によって二つの案に分かれているが,いずれもホーム・ゲートウエイ(HGW)にポリシー制御機能を持たせることで,マルチプレフィックス時に生じる送信元アドレスや経路の選択ミスを回避する。 トンネル方式が有力とはいえ,マルチプレフィックス問題を完全に解決できるわけではない。ポリシー制御を実施しても「すべてのアプリケーションが問題なく通信できることを保証するのは難しい」(NTT東日本)という。 現在,これら三つの案の仕様を詰めている段階であり,「まだどれかに絞り込める状況ではない。最終的に複数案を採用する可能性もある」(JAIPA)という。とはいえIPv4アドレスの在庫は201
2008年3月にNTT東西のNGNサービス「フレッツ光ネクスト」のサービスが始まった。サービス前の実証実験や正式サービスの発表などを取材したり記事を読んだりしているうちに思い出したのが,1988年にNTTがISDNサービス「INSネット」を導入したときの反響である。当時のISDNとNGNでは何が同じで何が違うのか,検証してみたい。 同じだと思うことは,まず,アプリケーションの不在を指摘する声が多いことだ。1988年当時も,INSとは「いったい(I)・なにを(N)・するのかな(S)」とまで言われていた。ISDNのアプリケーションとして,NTTや機器メーカーではデジタル高画質・高速FAXやテレビ電話などを挙げていたが,当時の家庭や企業のユーザーにとってピンとくるようなものではなかったし,案の定,普及することもなかった。 ただ,企業には,ISDNのサービスが始まって間もなく,活用例が現れた。中で
NTT東西地域会社が2007年度中の商用化を目指してきた,NGN(次世代ネットワーク)による新しいFTTHサービス「フレッツ光ネクスト」の概要が徐々に明らかになってきた。しかし,まだその全貌の正式発表は見送られたままである。なぜNTT東西は,新サービスを大々的に発表し,先行販売を開始しないのか。これまでに公表された内容から探ってみたい。 まずNTT東西は,2008年2月27日に総務省による業務認可を受けて,NGNの商用化に向けた「サービスの検討状況」を発表。サービスの名称と料金の概要を公表した(関連記事)。その2日後の29日には,総務省に2008年度の事業計画を認可申請。その中でフレッツ光ネクストの初年度の獲得目標や設備投資額などを明らかにした(関連記事)。 この二つの発表で,フレッツ光ネクストは,(1)月額料金は既存のサービス「Bフレッツ/フレッツ・光プレミアム」(以下,Bフレッツ)と同
ソフトバンクは17日、NTT東西の光ファイバ接続料などに関する同社の考え方を説明する説明会を開催した。ソフトバンクテレコムCTOの弓削哲也氏を中心とし、NTT東西の光ファイバ1分岐単位貸出に関するソフトバンクグループとしての考え方などが示された。 ■ 光ファイバの1分岐単位での貸出を要求 今回の記者説明会は、主にFTTHサービスの光ファイバ回線分岐に関するもの。戸建向けのFTTHサービスでは、1つの光ファイバ回線を分岐して複数の戸建で共有するシェアドアクセス方式が主流となっているが、光ファイバの貸出を行なっているNTT東西では最小で8分岐単位からの構成で貸出を行なっている。 これに対して光ファイバの貸出を受けてFTTHサービスを提供するKDDIやソフトバンクグループなどは、1分岐単位での貸出を求めて実証実験を共同で実施。市販の光信号伝送装置(OLT装置)を用いて1分岐単位での貸出が可能だと
「4年後までにソフトバンク・グループのネットワークを統合し,IMS(IP multimedia subsystem)を使ったNGNに移行したい」--。NTT,KDDI,ソフトバンクのキーパーソンが一堂に介したセッション「NGNの実現に向けた各社の技術戦略」でソフトバンクBBの牧園啓市技術統括ネットワーク本部長(写真1)はこう語った。このセッションは,千葉県の幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2007」のなかのプログラムである。 ソフトバンク・グループのNGNへの移行計画の具体像はこれまで明らかになっていなかったが,この日の牧園氏の講演でその姿が見えてきた(写真2)。 写真1●ソフトバンクBBで技術統括ネットワーク本部長を務める牧園啓市氏。このほかソフトバンクテレコム,ソフトバンクモバイルでも技術統括ネットワーク本部長を務める。Yahoo! BBのネットワーク設計に携わったこ
「NGN Forum」では、新たな情報サービス「INTERNET magazine FEED NGN」を公開しました。 INTERNET magazine FEED NGNは、NGNをテーマにした新しい情報サービスです。NGNに関するニュース、インタビュー、技術動向といったコンテンツを無料で閲覧できます。本サービスは、フィード技術(RSS/Atom)を活用した新しいメディアの可能性を検証するための実証実験プロジェクトとして、株式会社モディファイと共同で企画・開発・運営を行っています。本プロジェクトの詳細については、こちらのリリースをご覧ください。 上記ボタンをクリックするとINTERNET magazine FEED NGNにアクセスします。 ※ご利用にはWBB Forum/NGN Forumのユーザーアカウントが必要です。 ※アカウントをお持ちの方は以下のフォームよりログインしてくださ
NGN(次世代ネットワーク)の商用サービスが今年度中にも始まる。それに向けて,着々と準備が進められている。2007年1月からベンダーが参加して実証実験であるフィールドトライアルが始まり,4月からは一般ユーザーから募ったモニターもこのトライアルに参加している。しかし,NGNはまだわかりにくく,遠い存在である。やがて我々一般ユーザーも利用するサービスのはずなのだが・・・。 NGNは,インターネットで使うIPをベースに構築する次世代基幹ネットワーク。IP電話で利用するSIP(Session Initiation Protocol)を使い,IPネットワーク上で音声やデータ,映像などのマルチメディア・サービスを提供する。エンド・ツー・エンドでQoS(サービス品質)制御を提供し,セキュリティも強化する。また,固定通信網と移動通信網を統合したシームレスなサービスを提供する仕組みを用意する。いわゆるFMC
コスメトリックス(QoSmetrics)は,IPネットワーク上を流れるデータや音声,映像の品質を測定・管理できるシステム「NetAdvisor」「NetWarrior」を提供するフランスのベンダーである。日本では東陽テクニカなどが扱っている。コスメトリックスは製品提供だけでなく,映像サービスの品質を体感的な数値で示す指標「V-Factor」を提唱し,IP電話サービスのR値やMOS値に相当する業界標準化を目指している。製品のバージョンアップに合わせて来日した同社のイブ・コニウェイ会長に,システムの導入状況やV-Factorについて聞いた。(聞き手は加藤 雅浩=日経コミュニケーション) ――コスメトリックス製品の顧客は。 フランス・テレコムやテレコム・イタリアが当社のシステムを採用している。IPTV(IP方式の放送サービス)でエンド・ツー・エンドの品質を保証するためだ。米AT&Tなど評価中の事
KDDIは12月20日,都内で定例の社長会見を開いた。小野寺正社長兼会長は冒頭,17日にシステム障害でモバイル番号ポータビリティ(MNP)の受け付けを停止した件について,「NTTドコモ,ソフトバンクモバイル,代理店各社にはご迷惑をおかけした。ここにお詫び申し上げる」と陳謝した。 原因は,「新規契約やMNPのポートイン(転入)の申し込みが数多くあり,短時間に集中した。処理能力は十分あると考えていたが,結果的に足りなかった。ソフトバンクモバイルの障害時にチェックさせたが,漏れがあった」とする。障害翌日の18日にはディスクの増設と処理の分散化を図り,現在は順調に稼働しているという。ただし,今週末の23日と24日も申し込みが集中する可能性があるため,さらにハードウエアの増設や処理の見直しで負荷の軽減を図る予定である。春商戦に向けたシステムの増強も検討しており,「早期の信頼回復に努めていきたい」とし
日経コンピュータの11月27日号で,「NGNで何が変わるか」という特集を執筆した。 その取材の過程で,一つの興味深い話を聞いた。ある大手の国内SIベンダーが,「NTTに市場を食われてしまうのでは」,と本気で不安を抱いているというのだ。 日本では,NTTグループがこの12月20日からNGNのトライアルに着手し,2008年の初頭にはNGNの本格サービスへと移行させる。そもそもNTTにとってのNGNは,まずは旧来の通信網をオールIP化し,電話を新サービスで置き換えるということ。大型の電話交換機は各社が製造を中止しているため,IPルーターやSIPサーバーを中心とした電話網への切り換えを余儀なくされている。こうして2010年には,多くのユーザー企業が好むと好まざるにかかわらず,通信インフラとしてNGNを使うことになる。 冒頭のSIベンダーが不安を抱いているのは,この次のステップにある。NGNのインフ
次世代ネットワーク(NGN)で使われるIP技術は,もともとインターネットの世界で発展してきたもの。「IPレイヤーより上位は自由なインターネット」と「IPレイヤー以上も規定するNGN」,この両者の関係がどうなっていくのか――,いまだNTTのNGNの実体が見えにくいため,プロバイダ関係者を中心に警戒感が強い。中でも,国内プロバイダの草分けであるインターネットイニシアティブ(IIJ)の鈴木幸一社長は,NTTのNGN構築計画に厳しい意見を放つ。世界初の試みであり,通信市場への影響も大きいNTTのNGN。構築に当たっては,現時点におけるこうした意見や苦言も無視することはできないのではないだろうか。IIJの鈴木社長に真意を直撃した。 ――NTTのNGNに対して,厳しい意見を持っているようだが,その意図は。 NGNについては世界的にもまだ標準化中で研究段階のはず。メタルから光へ,交換機からルーターへ,と
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