自民党政権に終末の気配が漂い始めた感がある。それは直近の選挙に端的に現れていると思われる。 4月28日に衆議院3選挙区で行われた補欠選挙で、自民党は全敗した。東京15区、長崎3区では候補者を立てることができず、推薦もせず、政権与党としての存在感の稀薄化を顕わにした。島根1区は細田博之前衆議院議長が9回連続で議席を守り続けた「保守王国」と言われる選挙区で、今回の補選は細田の死去による弔い合戦であった。岸田首相は告示後2回選挙区入りするなど党の総力を挙げての選挙戦となったが、自民党の新人で公明党が推薦した候補は、立憲民主党の元議員に敗れた。自民党はこの地で、1996年に小選挙区制が導入されて以来、初めて議席を失ったことになる。 また5月19日に行われた神奈川県小田原市長選では、自民党、日本維新の会、国民民主党が推薦する現職市長を、無所属の前職が破って、返り咲きを果たした。自民党神奈川県連からは