日本政府は、福島第一原子力発電所の処理水を太平洋に放出しようとしている。それに強く抗議するのは、害を被りかねない太平洋諸国の人々だ。米「ニューヨーク・タイムズ」紙は、この海洋放出によって、太平洋諸国と緊密な関係を築こうとしてきた日本の努力が危うくなると指摘する。 福島第一原子力発電所では2011年の壊滅的なメルトダウン以来、原子炉の冷却を維持するため職員たちが毎日、100トン以上の水を壊れた原子炉に注入している。その後、高濃度の放射性物質を含んだ水は浄化処理され、発電所の周囲に迷路のように並んだ1000基以上もの白と青の貯蔵タンクに流し込まれる。 水は過去10年あまり、このタンクに保管されてきた。だが、もうタンクには130万トン以上が溜まっており、これ以上、保管できる場所がなくなってきている。そこで2023年春から夏頃、日本は他国もそうしているように、トリチウム以外の放射性物質については安
