近年、医療業界では「ペイシェントセントリシティ(Patient Centricity、患者中心)」という考え方を重要視すべきだという機運が高まっている。製薬企業もまた、同様の考え方を取り入れた変革を求められている企業の一つだ。 従来、製薬企業は医療機関と医師を中心としたビジネスモデルであった。しかし、超高齢社会の到来とともに医療環境が急速に変化する現在、患者との接点を拡大し、より持続的かつ利益を生み出すための変革が急務である。事実、当社では、医薬品開発に関連する企業・官公庁から、患者を中心としたビジネスモデルの立案と導入支援に関する相談が増加傾向にある。 本レポートでは、製薬企業を取り巻く環境の変化と課題を明らかにするとともに、ペイシェントセントリシティの観点から求められる製薬企業の役割を考察する。 製薬企業のマーケティング活動は従来、KOL 1(キーオピニオンリーダー)となる大学病院や地