基幹システムの刷新でトラブルが起きやすい典型パターンは、旧システムの機能を、現状のまま新システムに載せ替えるケースだ。既存システムには自社業務や業界慣習に基づく機能を組み込んでいる。こうした機能を「現状のまま」新システムに反映させるのは本質的に難しい。 既存のレガシーシステムを新システムにリプレース(置き換え)する。近年の基幹システム刷新プロジェクトの多くはこのパターンだ。 プロジェクトを始めるきっかけは、メインフレーム、オフコン、OS、パッケージ、ミドルウエアなどのサポート切れが多い。まったく新しいシステムを一から開発するよりも、既存システムの機能をそのままに、新システムへと置き換えるほうがリスクは少ないように見える。 ところが、システム開発トラブルの多くはこのパターンのプロジェクトで起きている。 日本の企業は20年から30年くらい前に、販売管理、生産管理、会計管理などの基幹システムを相
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