Points of View グローバルにおけるEHR・PHR 環境の特徴 -わが国の健康医療データの利活用促進に向けて- 印刷用PDF 医薬産業政策研究所 主任研究員 辻井惇也 1. はじめに 64ZB(ゼタバイト)。これは2020年に世界で生成されたデジタルデータの量である1)。耳馴染みのあるGB(ギガバイト)に換算すると、64兆GBという膨大な量のデータがたった1年間に生み出されたことを意味する。さらに、通信技術の進化やデジタルデバイスの高度化等を通じ、あらゆるものがインターネットを介して接続するデジタル社会の到来が間近に迫る中、2025年にはデータ生成量が約175ZBまで増加するとの試算もある。特にヘルスケア分野はその最たる領域であり、年平均36%(2018年~2025年)のデータ量の増加が見込まれている2)。 日本では、令和2年版 科学技術白書(文部科学省)において、「2040年