2019年の就職活動を揺るがした「リクナビ事件」。就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京・千代田)が、サイトに登録した就職活動中の学生の「内定辞退率」を人工知能(AI)で予測し、企業に提供していたことが8月に発覚した。 同社は18年以降、学生がサイト内でチェックした企業の閲覧履歴情報などを収集。AIを活用しその学生が内定辞退する確率を算出し、学生本人にも十分な説明のないまま有償で30社以上に提供していたという。厚生労働省は「(一連の行為は)本人の同意を得ても法律に違反する」との見解を打ち出し、政府の個人情報保護委員会は12月、サービスを利用した企業にも行政指導をした。その中には、トヨタ自動車や三菱商事といった有名企業も並ぶ。 就活生に人気の大手までもがこぞって「内定辞退率」を欲しがるのは、人材不足の中でより確実かつ効率的に、有能な人材を確保したいと考えているからだ。「