このテーマは結構流行りみたいなんだけど、著者は定型的な見方はしないようとしているものの、結局啓蒙本になってしまったといった感じ。著者はNHKで国際局ディレクターをした後、パリに留学して、パリと東大で修士をとって、朝日新聞記者というお方なのだが、パリと東京で出産、子育ての経験があるらしい。フランスは子どもを「小さな大人」として扱うが、日本はそうではないというのは良く言われる話なのだが、生後直ぐに個室で寝かせたり、バストの形が崩れるからという理由で母乳を与えないなんてところには著者も幾分批判的なところがある様だ。その辺は、「自立した自分」を守りたいが為に、子どもに「自立」を強制している様にも見えなくはないのだが、子どもの為に「滅私奉公」することにより、親としての自分が「自立」していると考える日本の父母も同じことではないかとも思う。家族愛が自然なものであると考えること自体が、自然な感情ではないと