寄贈された漢籍のなかに、希少性が高くない書物が大量に混じって冊数が嵩上げされているのも、「戦後最多の寄贈冊数」という名目で大々的に報道をおこなわせる政治目的ゆえではなかったかと思われる。 意外とよくやっていた?日本外交 今回の永青文庫の漢籍寄贈が「文化財流出」などではないことは明らかだろう。いっぽう、漢籍や書誌学に詳しいプロの人たちが懸念する「“二束三文”の書物ばかり贈って逆に恥ずかしい」という感想も、実は的外れであることがわかる。 今回の漢籍寄贈の本質は、単純な文化交流事業ではなく、習近平政権が習ファミリーの関連グッズを収集するためのイベントだ。また、習政権が幹部候補党員向けの必修書籍にしている『群書治要考訳』が、いかに価値の高いものであるかを宣伝するための、政治的な目的で仕組まれたプロパガンダなのである。 むしろ気になるのは、日本国家や細川護煕氏が、『群書治要』の「本当の価値」を理解し