シャープそしてソニーと直近の四半期決算で競合メーカーが軒並みテレビ事業の止血を達成する中で、いまだに100億円超の事業赤字に喘ぐパナソニック。なぜパナソニックだけ低迷が際だつのか。そこには、同社固有の根深い構造が横たわっている。 2月9日に行われた3Dテレビの製品発表会は、パナソニック社内のテレビに対する不安を紛らわすかのような盛大さだった。1000人は居ようかと言うプレス・業界関係者が会場の東京国際フォーラムのホールを埋め尽くし、ライトアップされた3Dテレビに、パシャパシャとフラッシュが炊かれた。「3Dテレビの産業革命をパナソニックがリードして巻き起こしたい」(デジタルAVCマーケティング本部・西口史郎本部長)と意気軒昂たる声色だった。 しかし、パナソニックのテレビ事業を冷静に観察すれば、あまり “野望”をブチ上げている余裕はない。それどころか巨額の赤字を計上し続け、止血のメドは依然