初代伊藤忠兵衛、大阪経由、泉州、紀州へ初めて麻布の持ち下りをする(伊藤忠商事創業)。 初代伊藤忠兵衛15歳のとき、行商の足を大阪、紀州あたりまで延ばし麻布(まふ)の「持ち下り」商いを始める。そして、翌年には岡山、広島、下関を経由して長崎に至る。このとき、日本はアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、オランダの5カ国と修好通商条約を結び、自由貿易時代が始まった。忠兵衛は「外国人、軍艦、商館を一瞥し、奇異の感を懐き、驚異の眼を開く」とともに、商いの道の無限の可能性を確信するのであった。 「持ち下り」とは? 商品携帯出張卸販売のこと。ほかの国々に得意場(商圏)を持ち、定期的に回って商売する事業形態。近江商人は、郷里や上方の産物を地方へ持ち下り、地方の産物を仕入れて上方で売りさばくという方法をとりました。忠兵衛は見本帳を持って注文を取り、その商品を得意先のある宿屋に飛脚を用いて運送し、その宿で商品の