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ブックマーク / zokeifile.musabi.ac.jp (35)

  • 武蔵野美術大学 造形ファイル|武蔵野美術大学による、美術とデザインの「素材・道具・技法」に関する情報提供サイト

    造形ファイルは、武蔵野美術大学がインターネット上で公開している、美術とデザインに用いられる素材や道具についての用語や技法の情報を提供する知識モジュール群です。 平成14年に誕生して以来更新を続けてきましたが、平成18年度に文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に選定されたのを機に、新規のウェブサイトとしてリニューアルしました。 学習や制作の現場において使用される基礎的な用語や技法、素材や道具などについて説明したもので、どなたにでも簡単に検索・閲覧することができます。武蔵野美術大学の通信教育課程の学生はもちろんのこと、造形に興味のある方、教育や生涯学習機関に関わる方などに幅広く活用していただけるようなコンテンツを目指して制作を進めてきました。 平成21年3月末を持って新規用語登録を一旦終了し、そして平成26年10月より、スマートフォンやタブレット端末から閲覧できるよう

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    透視投影は、中心投影とも呼ばれ、三次元の物体を平面上で表現するための図法(投影法)の一つで、パースペクティブ・ドローイング、略してパースとも呼ばれます。対象物を目で見た時と同じような表現ができるので、デザインの領域では、設計の予測や仕上がりの状態を表現する手段として、いろいろな分野で活用されています。例えば、建築の外観図や、プロダクトデザインのレンダリング(完成予想図)などに、さらには都市空間を示す鳥瞰図(上から見下ろした図)や公園などの景観図、室内の見取り図などにも応用される幅広い手法です。 透視投影では、視点から物体までの視線が、一つの視点に集められるという特徴があります。視点が一つに集まらず平行である、という考え方は平行投影と呼ばれ、工業用図面で多く採用されている第三角法などが含まれます。 透視投影によって描かれる図は、視点と消失点(※1)の設定によって、一点透視図法・二点透視図法・

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    純色(full color)とは、各色相においてもっとも彩度の高い色をいいます。 色は白・灰・黒などの無彩色と、赤・黄・青などの色みを持つ有彩色に大別できます。有彩色のそれぞれの色相の中で、もっとも彩度が高い太陽光のスペクトルの色(太陽光をプリズムにあてたときに生じる色)を純色といいます。純色は、それ以上彩度を上げることができません。 ほとんどの色は異なる波長の色が混ざったものですが、太陽光スペクトルの色は、それをさらに分解することができない「純粋な色」であるといえます。 この色の純粋さや強さの度合いは、純度によってあらわすことができます。無彩色(白・灰・黒)を純度0とし、無彩色成分に対して有彩色成分の比率が増すにつれて純度も高くなります。また、純色に黒または白を混ぜた色を清色といい、これは色立体の表面部分に並ぶ色に当たります。純色に灰色を混ぜた色は濁色といい、これは色立体の内側に並ぶ色に

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    ノンブル(nombre:仏)は「数」を意味しますが、書籍や雑誌など冊子形式の印刷物で、それぞれのページに順序を示す番号として数字をつけること[=丁付け]、あるいはつけられた数字をいいます。 ノンブルの値は、ページが表紙と同じ向きの面を奇数、裏表紙と同じ向きの面を偶数とするのが一般的です。ノンブルの1をどの位置のページから始めるかは、冊子の種類や構成によって異なります。一般的な書籍では扉や序文、目次などの前付(まえづけ)に続く文の始まりを1ページとする場合が多く見られます。この場合前付や、文に続く付録・索引などの後付(あとづけ)には、文とは独立したノンブルが付けられます。とくに後付については、縦組の書籍の巻末に索引など横組の付録が伴う場合に、巻末のページから逆に番号がつけられることがあり、これを逆丁(ぎゃくちょう)といいます。 文庫や新書、選書や雑誌など簡易な製による冊子では前付

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    アクアチントは、凹版画において、金属版を腐蝕させて製版する腐蝕技法(間接凹版技法)のひとつで、版面に松脂やアスファルトの粉末を撒いて加熱定着、腐蝕させることで多孔質な版面を作り出します。こうしてできた版は、エッチングでできる線の表現とは違い、面で水彩画のような濃淡の調子を表現することができます。 一般的なアクアチントの手法は、松脂を用いる方法です。松脂はあらかじめ乳鉢などで磨り潰し細かい粉末にして、ガーゼや手ぬぐいなどの布の中に包んでおきます。次に溶剤できれいに拭いた版面に、松脂の粉末が入った布包みを上下させて粉を版面に散布します。この時の作業は、風が遮られた場所で行なう必要があります。室内で行なう場合は、エアコンは切っておきます。これは、松脂の粉末が風で飛散ってしまうのを防ぐためです。松脂を均一に散布したら、版の裏からコンロなどで丁寧に熱して松脂粒子の接面部周辺を溶かし、版面に定着させま

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    銅版画は凹版画のひとつで、版材に圧延された銅の板を使用し、「彫る」「腐蝕する」などの物理的処理を加えて凹部を作り、そこにインクを詰めプレス機で圧力を加え刷ることで、インクを版から紙へ転写する技法です。 銅版画は1400年代に金具などに彫刻を施す金属細工師が図案等の記録用として印刷を始めたことが起源だと言われています。当初は銅板ではなく鉄板を使用していましたが、1400年後半から銅板が用いられるようになりました。 銅版画の製版は、直接凹版技法(直刻法)と間接凹版技法(腐蝕法)の二つに分けられます。直接凹版技法にはエングレーヴィング、ドライポイント、メゾチントなどの技法があります。これらはニードルやビュランと呼ばれる刃物を使用して版面を直接印刻することで、凹部を作る方法です。間接凹版技法にはエッチング、アクアチント、ソフトグランドエッチングなどの技法があり、これらは描く部分を塩化第二鉄水溶液や

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    エングレーヴィングは、金属版を直に印刻し、描画をする直接凹版技法(直刻法)のひとつで、ビュランと呼ばれる道具を使用し、直接版面に線(イメージ)を刻み込みます。 彫刻凹版とも呼ばれることもあるこの技法は、印刷するとシャープな線が得られるのが特徴です。 エングレーヴィングは数ある凹版技法の中でも最も歴史が古く、15世紀ヨーロッパで武具や貴金属の装飾のために金属の表面を印刻する金細工職人の技術から生まれ、彼らが装飾の絵柄を記録するために印刻によってできた凹部にインクをつめてプレス機で印刷したことが始まりだと考えられています。 彫りの道具として使用されるビュランは、先端が45度に切断された鋼鉄製の刃に木製の握りがついた彫刻刀です。ビュランの鋭い刃先で彫られた版の断面はV字型となります。木製の柄の部分を手のひらで包み、親指と人差し指で刃先を軽く支え、残りの指で柄を支えるようにして持ちます。刃先は版と

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    ドライポイントは、金属版を直に印刻し、描画をする直接凹版技法(直刻法)のひとつです。版材より硬い鋼鉄製のニードルなどを使用し直接版面にイメージを刻み込みます。こうしてできた版は、印刷すると直接刻まれた刻線の両側にできるまくれにもインクが絡まることで、独特のやわらかく滲み(にじみ)のある描線を表現することができます。 ドライポイントの歴史は古く、1480年頃のドイツでつくられた作品が最古のものとされています。同じ直接凹版技法であるエングレーヴィングと比べると、技法や道具への熟練をあまり必要としないために簡単に自由な線を描くことができるのが特徴です。 ドライポイントは、版に直接線を刻んで描画するために、ニードルなどによって描かれる刻線に沿って押しのけられた金属が線の両側に盛りあがります。この盛り上がりをまくれ(バー、あるいはバール)と呼びます。版にインクを詰めると、まくれの裏にもインクがたまり

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    腐蝕液は、間接凹版技法(腐蝕法)で凹部の製版に用いる、金属を腐蝕する性質を持つ液体です。一般的には塩化第二鉄水溶液や硝酸水溶液があります。 塩化第二鉄水溶液は、腐蝕液として広く一般的に使用されている黄褐色の液体です。腐蝕する際には、のり付きパネルなどを小さく裁断して台(ゲタ)とし、描画面を下に向けて浸します。これは、腐蝕の際に化合物(腐蝕カス)が発生し凹部に溜まり腐蝕進行の妨げになるのを防ぐためです。下を向けることで腐蝕カスは凹部に留まらずに落下します。腐蝕が終わったら、版に付いた腐蝕液を水洗いします。また、醤油をかけて中和させ、酸化を停止することもできます。塩化第二鉄水溶液は、描線を垂直にシャープに腐蝕するのが特徴です。 硝酸水溶液は、古くから使用されている代表的な腐蝕液です。無色透明な液体で、銅を腐蝕するとしだいに青く変化します。使用する際は樹脂製のバットに水を入れた後に、硝酸液を加え

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    色立体(color solid)とは、色を体系的に三次元空間の座標に配置し、相互の関係性をあらわしたものです。 色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。代表的なカラー・オーダー・システムには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日色研配色体系)があります。 マンセル表色系は、アメリカの画家で美術教師のアルバート・H・マンセルが1905年に創案したカラー・オーダー・システムです。100色相、明度は11段階、彩度は色相や明度によって再現できる範囲が異なります。マンセル表色系の色立体では、明度は垂直方向の軸、色相は明度の軸を中心とした環、彩度は明度の軸から色相環の外周までの距離によってあらわされます。この色立体を水平に切った断面は、等明度の色相環となりま

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    色相環(hue circle)とは、色相を環状に配置したもので、色を体系化する時に用いる方法の一つです。色は光の波長の違いによって、赤・橙・黄・緑・青・紫というように連続的に変化して知覚されます。これを連続的に配列し円環状にしたものを、色相環といいます。 色を正確に伝えるためには、規則的な色の表記方法が必要になります。この色の表示体系をカラー・オーダー・システム(表色系)といい、色相環や色立体によってあらわすことができます。現在よく知られているものには、マンセル表色系、オストワルト表色系、PCCS(日色研配色体系)など数種類があります。マンセル表色系は、基5色相(赤・黄・緑・青・紫)の中間色相(黄赤・黄緑・青緑・青紫・赤紫)を加えた10色相からなります。また、オストワルトの色相環は、基8色相(黄・橙・赤・紫・青・青緑・緑・黄緑)をさらに各色相を三つに分けた24色相からなります。オスト

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    字消し板は、ステンレスやプラスチックでできた、様々な形の穴が開いた非常に薄い板です。描き誤った図面や文字などを消しゴムで消す際に、消しゴムと一緒に使用し、消す必要の無い(もしくは消してはいけない)部分を一緒に消してしまうことを防ぐための道具です。大きさは名刺程で、穴の形はメーカーによって様々に工夫されています。ステンレス製のものには、板がメッシュ状になっているものがあり、消したい箇所が確認しやすいように、下図が透けて見えるようになっています。 使い方は、まず消したい箇所の形に合う、字消し板の穴をあてます。そして上から消しゴムをかけます。一回で消せない大きさであれば、少しずつ、ずらして使います。この時、消しゴムをかけながら字消し板が動いてしまわないように注意しましょう。字消し板で紙を押さえているので、消しゴムでこすって紙にしわを作ってしまうのを防ぐことができ、例えばトレーシングペーパーのよう

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    木炭紙は、主に木炭などの定着性の弱い描画材に適した紙で、紙の表面には規則的に並んだ筋状の凹凸加工が施され、色材(木炭の粉など)の定着を良くするとともに、描き方の工夫で豊かな表現が可能です。 描画の際に生み出される繊細な調子や濃淡などは、木炭紙特有の柔らかな風合と紙肌によるもので、基的には紙を傷めないように描き進めるのが大切です。筆圧を抑えるクッションとして、必ず4~5枚程度の木炭紙を下に敷きましょう。塗り重ねる際は、一度塗った木炭を布や指の腹などで軽く押さえ馴らしてから(紙肌の凹部に入れ込むイメージ)、再度塗ることで濃度を上げていきます。また、描画した線などを消すときには、練りゴムや指で強く擦りすぎると表面の凹凸が潰れてしまうため、パンや柔らかい布を使用しましょう。 市販されている木炭紙には数種類あります。もっとも多く利用されている「MBM木炭紙」は、フランスのキャンソン社が製造してい

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    木炭を描画材として用いたデッサンの際は、消し具として、主にパンやガーゼなどを利用し、描画部分の修正や調整をします。 木炭は、描画により紙と擦れることで、粒子状になって描線となります。また、木炭粒子を支持体に定着させる成分を含まないため、描画部分は剥落しやすくなっています。しかし、定着が弱いことで、布やパンなどを使い、描線の修正や木炭の重ね具合の微調整などができ、繊細な表現が可能になります。そして、これらの消し具は、支持体である木炭紙を大きく傷めることなく利用できます。 木炭デッサンに用いるパンは、バターなどの油分をあまり含まない、一般的な角切りのパンが適しています。油分を含んでいると紙面にシミを作る可能性があるので、使用を避けましょう。パンは、基的に耳以外の白く柔らかい部分を適量取って使用します。利用法としては、パンを軽く練り合わせて、消しゴムのように描線を消したり、先端の尖っ

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    主に油彩画の支持体として用いられる、張りキャンバスの構造は、フレーム状に組んだ木枠にキャンバス(画布)を張り留めたもので、作者の表現に合わせて様々な形態やサイズのものを容易に自分で張ることができます。 キャンバスを張る際に必要な材料・道具として、木枠・キャンバス(必ず木枠より大きなサイズのものを用意。一辺の長さ=木枠の長さ+(木枠の厚さ+約2~3センチ)×2)・キャンバス張り器(キャンバスを引っ張るペンチ状の道具)・タックス(釘)・木槌・金槌・はさみ又はカッター・三角定規・釘抜き(マイナスドライバーでも可)などを用意します。張る時の環境は、適度に湿度のある場所や雨の日などが最適です。これは、布地の繊維が湿度により伸縮するためで、乾燥した状態で張ったものは、湿度が上がった時にゆるむ恐れがあります。 キャンバスを張る工程としては、まず木枠を組み立てます。短辺と長辺の木枠の向きに注意し、枠の四隅

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    乾性油とは、油絵を制作する際に用いられるリンシードオイルやポピーオイルなどの画溶液(溶き油)のことで、絵具の練り調子やノビをよくすると共に顔料と支持体の定着を強め、油絵特有の艶や透明感を与えます。また、油絵具の中に、顔料を画面に固着させる成分(主媒材)として練り込まれています。 乾性油は空気中の酸素を取り込み反応することで、皮膜を形成し固化します。揮発性油のように蒸発するわけではないので、乾燥後体積が減り、絵具が痩せることはありません。油絵具の乾燥が遅いのはこの乾性油が非常にゆっくりと酸素と結合するためで、完全に反応がとまるのは30年ぐらいかかるともいわれています。 乾性油は、植物の種子や実などの原料を精製して作られています。亜麻を原料としたリンシードオイルは、乾燥速度が速いが黄変が強く、芥子(けし)からできているポピーオイルは、黄変は少ないが乾燥が遅いなどの特徴があります。その他にも、サ

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    木口木版は、木を輪切りに切り出した表面が硬質な木口板を版木として使用し、ビュランを用いて彫ることで、精密で繊細な表現ができる木版画です。 木口木版は西洋木版とも呼ばれ、18世紀末にイギリスのビウイックが発明し、平圧プレス機で活字と同時に印刷できることからヨーロッパでは書籍の挿絵として発展することになりました。 版木として使用される木材は、板目の版木よりも硬質で、目が詰っていて密度のある黄楊(ツゲ)や椿、梨、楓などの硬い木材が用いられます。しかし、これらの木材は生産量が少ないことや、木の太さのサイズまでしかとれないことなどから、四角く裁断した木口を接着した寄木の版木も作られています。 木口木版は、彫る前に版木の表面を研磨する必要があります。研磨には耐水性サンドペーパーを使用し、60番程度の粗目のものを使用して表面の傷や切断の跡がなくなるまで削り、次第に番目をあげながら、1500番程度で光沢が

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    「級」とは、写真植字(写植)における文字の大きさを表す日独自の単位で、1級は0.25mmです。1ミリの1/4(= Quarter)から名付けられたもので、略して「Q」と書かれます。現在、文字はデジタル化され、光学的な写植を使用することはほとんどありません。なお、級は文字サイズの呼称ですが、字送りや行送り、行間のサイズを指定する場合は、「歯」(略して「H」)を使用します。1歯は0.25mmで、文字サイズと同じシステムで働きます。初期の写植機は、印画紙を巻いたドラムを歯車によって回転させることで文字を焼き付けていました。「歯」は歯車の一つ分が1級分(0.25mm)だったことに由来します。 ポイントも同じく、文字の大きさを表す単位の一つです。活版印刷時代から使われている単位ですが、採用される地域やシステムによって、規格のサイズが異なります。例えば、アメリカンポイントは1pt= 0.3514mm

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    はかり棒やデッサンスケールは、人物・静物・風景など目の前の対象(モチーフ)を描く際に、形態の把握や構図の確認に用いる補助用具です。 はかり棒は、主に描く対象の長さや大きさなどの比率を計測する棒です。 一般的なはかり棒は、真鍮製の真っ直ぐな角棒に目盛りが記入され、長さは30~50cm程度です。また、棒の一端には、ネジによりピアノ線が留められていて、これは角度や垂直水平を計測する際に使用します。しかし基的には、真っ直ぐな棒であれば何でも使用でき、自転車のスポークや長めの鉛筆でも構いません。 使用例として、モチーフのリンゴとビンの大きさの関係を計測する場合、作者は制作している位置より、人物に対して腕を真っ直ぐ伸ばし、はかり棒をかざします。棒は垂直に立て、目と棒の距離は常に一定に保ちます。まず、片目のみを開き、立てている棒の先端をリンゴの上端と同じ位置になるように合わせます。次に、それを維持した

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    第三角法は、製図で用いられる正投影図法の一つで、通常は、正面・平面・側面の三面図で構成されます。正投影図法とは、立体を平面上に表す方法の一つで、物の形状を正確に表すことができる長所があります。この三面図の配置の仕方によって第三角法は、第一角法と区別されます。 第三角法を用いて三面図を作成する際は、まず物体の最も代表的な面を、正面図として描きこみます。平面図は正面図の真上に配置し、側面図は、基的には右側面図を正面図の右側に配置します。(左側面図であれば左側に配置します。)図の配置場所は決まっており、特に、平面図が正面図の上に配置される点は注意が必要です。配置場所を誤ると、第一角法との取り違えや、正しく情報を伝えられない場合があります。(第一角法では、平面図は正面図の下に置かれ、「右」側面図が「左」側に置かれます。)第一角法は主にヨーロッパで用いられ、第三角法は主にアメリカで用いられます。日

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