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ブックマーク / article.researchmap.jp (24)

  • 山岸俊男 玉川大学教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    共犯の2人にそれぞれ、自白すると有利な条件を示して司法取引する場面を考える、「囚人のジレンマ」というゲーム理論の問題提起がある。囚人たちは協調し合ったほうが得なのだが、1度だけの取引では、実際には両者とも裏切り合う結果になるそうだ。これをお金を使ったゲームにした行動実験に長年取り組んできた、山岸俊男教授。その著書『安心社会から信頼社会へ』や『日の「安心」はなぜ、消えたのか』を手に取られた方も多いのではないだろうか。玉川大学脳科学研究所脳科学研究センターに、山岸俊男教授を訪ねた。 この秋から約500人の一般の方々に、人間同士の相互依存関係をお金で表現した、いろんなゲームに参加していただきます。たとえば参加者で2人組をつくって、それぞれが実験者から1,000円もらい、それを相手に提供するかどうかを決めてもらいます。提供したお金は、2倍になって相手にわたることにします。もしお互いに提供し合えば

  • 神谷之康 京都大学 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    今見た夢を再現する、そんな「夢」のような研究はどこまで進んでいるのだろう。ブレイン・デコーディングという方法で夢を再現しようと試みる研究を進める神谷之康さんは、最初にこの着想を得て研究分野を切り拓く。脳や夢は、人の精神や人とは何かという根源的な問いにも関わるテーマで、人びとの関心や期待も大きい。ときには過大な評価や利用もあり得てしまう分野だ。脳研究の現場から、現時点での限界と、その「扱い方」を語る。 ◎脳の動きで、見た夢を再現!? 「他人の夢を見るなんて、そんなことできるわけがない!」 そう自信たっぷりに宣言するのは、あるTVドラマの主人公である「天才科学者」。 「こんなふうに、ちょっと訳知り顔の人が分かったふうに断定するのは止めてほしいんですよね」と渋い表情をするのが、今回紹介する神谷之康さんだ。「知識のある人、専門家やそこに近い存在である人ほど、このような物言いをする。これはタチが悪い

  • 今井むつみ 慶應義塾大学教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    私たちは母国語を話す時、めったに辞書を引いたりしない。それは私たちが、いわば“脳内辞書”を持っているからだ。このような人のこころの中にある語彙の知識の総体を「レキシコン」といい、ギリシア語に由来するというのだが……ではいったい何時、どのようにして出来上がったんだろう? そこで今回は、言語にご関心を持ち、認知・発達心理学の分野で活躍する慶應義塾大学 今井むつみ教授を、共同研究機関である「玉川大学赤ちゃんラボ」に訪ねた。 私は、認知発達と言語獲得との関係に興味を持っています。子供は言語を学習することで、概念などの認知機能を発達させていきますが、一方で、認知の基盤を持っているからこそ言語の学習が可能になるという面もある。このように言語と認知は、支え合いながらお互いを引っ張り上げていく双方向的な関係にあり、これを「ブートストラッピング(bootstrapping)」と呼んでいます。ちょうど編み上げ

  • 慶應義塾大学 山本龍彦 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    大量の情報を集約し高速で処理して活用するビッグデータ時代。膨大な情報を駆使して、経済や社会の活性化につなげようとする動きが活発だ。しかし、ここには個人の尊厳に関する重大なリスクがあることを忘れてはならない。ビッグデータの活用がもたらす思いもよらないリスクについて、憲法学を専門とする山龍彦さんに聞いた。 ◎「プロファイリング」で何が起こっているのか? インターネットでのショッピングがもはや日常の一部となっている人も少なくないだろう。インターネットを通じて商品購入を行った世帯は2015年には27.1%となり、全世帯の1/4を超えている。2002年の5.3%からほぼ直線的に増加の一途をたどる。*1 インターネットで商品を検索・購入すると、検索画面上に絶えず関連商品のバナー広告が表示されるようになる。賃貸住宅を検索すると、それ以降は地域や価格帯に焦点が絞られた情報が提供され、スポーツ用品なら関連

  • 駒村康平 慶應義塾大学 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    貧困・格差、少子化、非正規労働者の増加、貧困の連鎖、超高齢社会。これらの問題は実はすべて関連する。だからこそ広い範囲での多様な対策が求められる。待ったなしの少子高齢社会をむかえ、対応が追いつかない現状とその対策について、解決の新たな切り口を聞いた。 ◎お金だけ出しても、貧困の連鎖は止められない 「経済的な理由で進学できないのなら奨学金などの制度を整えればいいという人がいます。でも、こんな発想はあまりに短絡的。お金を渡すだけで、貧困の連鎖が止まるはずがない」と、政府の対応が一面的であることを駒村さんは批判する。「経済的に困難で進学できないのであれば奨学金を出せばいいというのは、中学から私立の進学校に通い一流大学に進んだような官僚のアイデア。恵まれた環境で育ってきているために、現実に何が問題なのかを想像できていない。そのため、お金があれば学校に行くだろうと考えている」と、ばっさりと言い切った。

  • 福島大学 西﨑伸子 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    アフリカ・エチオピアの野生動物保護政策は、保護地域から住民を排除する要塞型アプローチから住民参加型に転換したが、住民の抵抗は続き混乱は収束しない。住民と行政の間に風穴を開けるにはどうしたらいいのだろうか。住民とともに暮らして生の声を聞くことで見えてきたエチオピアの現状を、福島大学教授の西﨑伸子さんに聞いた。 ◎野生生物保護政策が招いた、政府と住民との摩擦 多くの情報が手軽に手に入るようになった現在でも、アフリカに関する生の情報に触れることは難しい。マスコミから提供されるものといえば、飢餓、難民、貧困、内戦、そして感染症などネガティブなものか、雄大な大自然と野生生物、文明に侵されない生活スタイル、スポーツで活躍する選手など、両極端だ。その狭間にある人びとの日常や地域社会、人びとの価値観は、どのように知り、そして理解したらいいのだろうか。 現地で住民の家に住み込みながら調査を行っているのが、西

  • 嶋田珠巳 明海大学 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    ◎アイルランド人の98%は、日常的にアイルランド語を話さない アイルランドは、アイルランド島の約80%を占める共和国である。独立戦争を経て1949年に英国からの独立を果たしたが、北部の20%は英国への帰属を主張するプロテスタント系とアイルランドへの帰属を主張するカトリック系との間の激しい対立を経て英国領に残り、80%の地域がアイルランド共和国として独立国となった。 ところで、アイルランドではどんな言語が使われているのだろう。アイルランドは英語とは異なるケルト文化という文化圏にあり、アイルランド語という土地固有の言葉がある。しかし、明海大学でアイルランドの言語に関する研究を続けている嶋田珠巳さんは、「人口の98%が実質的な母語として英語で生活しているのです」と言う。なぜアイルランド語という国の言葉がありながら、アイルランドの人々は主たるコミュニケーション言語として英語を使っているのだろうか。

  • 立命館大学 筒井淳也 教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    リフォーム減税を実施すれば、少子化をくい止めることができるだろうか? そんな漠然とした疑問について、クールに考える方法がある。計量社会学という方法で、社会の姿を読み解く立命館大学 筒井淳也教授に、社会の見方や施策に対する視点を聞いた。 ◎三世代同居は、出生率を上げるために有効な施策なのか? キッチン、トイレ、浴室のいずれか2つ以上の増設をするリフォームに対して、減税措置を行うという施策が提示されている。いわゆるリフォーム減税である。三世代同居を促すためのもので、キッチン等の設備を充実させそれぞれの世帯に独立した設備を整えるためのものだ。三世代が共に暮らせば子育てに対する負担が減り、希望する人数の子どもをもうけるようになるというシナリオが描かれている。 所得や住宅事情、また保育環境や労働事情により、夫婦が希望する数の子どもを出産できないというのが少子化の主な要因とされ、結果的に希望出生数を満

  • researchmap リサーチマップ - researchmap×DANNAmethod コラボ企画 - Moyapedia

    大学生活は多くの人にとって社会人になる前の最後の時期です。 将来像や人生の目標を持つ大学生がいる一方で、自分がやりたいことや将来像が見えずに「モヤモヤ」を抱えた学生もいます。そこで学生団体DANNAmethodに所属する学生たちが、この「モヤモヤ」に基づいた質問をresearchmapの研究者の方々にぶつけ、彼らの大学時代の過ごし方を手に、「モヤモヤ」解決の糸口を探ります。 当時、大学に進学する人は同学年で10%もいなかったと思います。私は父を早くに亡くし、母が一人で私と妹を育てたんですね。経済的に厳しいところもあり、小さい時から「まずは手に職をつけて、収入を得られるようにしなきゃ」という思いがありました。私が高校を卒業する頃、女性が高卒で就ける一番良い就職先は銀行員でした。しかし銀行は親が片方いないと採用してくれなかったんですよ。それを知って、ものすごく怒りに燃えましたよね。だってそれ

  • 北海道大学 南保明日香 准教授 インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    ひとたび集団感染が起こったら、多くの命が脅かされ、社会や歴史が変わることもある感染症。そのひとつ、エボラ出血熱のメカニズム解明に取り組む研究者がいる。アフリカの限られた地域での風土病であったエボラ出血熱は、いまや世界を脅かす疾病として知られるようになった。エボラウイルスの振る舞いを解き明かす研究に取り組む、南保明日香さんに聞いた。 ◎感染症との戦いは終わらない 人類は、紀元前の昔からさまざまな感染症と戦ってきた。原因もわからず、治療法も確立されていないだけではなく、公衆衛生の知識も乏しい時代。症状の激しさや死亡率の高さなどから恐れられ、また実際にも歴史を変えるほどの影響を及ぼしてきた。エジプトのミイラからもその痕跡が見つかったという天然痘は人類が根絶した唯一の感染症だが、高い感染力をもち、世界中で国や民族が滅ぶきっかけにもなってきた。 さまざまな感染症に対する病原体や対処法が分かってきたの

  • 函館工業高等専門学校 小林淳哉 副校長 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    就職率100%。産業界は、なぜ高専の教育を評価するのか? 函館工業高等専門学校 副校長 小林淳哉 教授 「高専」のことをご存じだろうか? 実践的な教育を行い、卒業生は産業界からも高い評価を得ている高等専門学校。一般の高校や大学とは異なる教育システムを持つ高専は、何を目指し、どのような教育を行っているのか。 ◎“kosen”という独特のシステム 工学を学ぶ学生たちが、アイデアと技術を駆使してロボット開発に取り組む。それを自ら操作して目的の達成度を競う「ロボットコンテスト」。対戦形式の緊張感と学生たちのひたむきな姿が人気を呼び、「ロボコン」の愛称でも親しまれる。ここには、大学の工学部などと並んで高専の学生たちがたびたび登場する。実は、ものづくりの現場では、数多くの高専出身者が活躍しているのである。 高専とは高等専門学校のことで、中学校卒業後の15歳から20歳までの5年間、一貫教育を行う高等教育

  • 東京大学 原田達也 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    人工知能の研究は、留まるところを知らないとまで言える様相だ。多くの仕事、作業が機械に代替されるという予測は、ますますリアリティを増してきたようである。今後、人工知能の活躍の範囲が広がっていくことは間違いないとしても、ある種の万能観を持って語られるムードには、違和感がつきまとう。機械によってできること、できないことが錯綜してはいないだろうか。できることはどこまでで、その先はなぜ難しいのだろうか。人工知能研究に深く関わる研究者が考える、分岐点と展望はどのようなものなのだろう。東京大学の原田達也教授に聞いた。 ◎「人工知能は、なんでもできるの?」という問い コンピュータが小説を書き、絵画を描き、音楽を作る。機械に取って代わられる職業がリストアップされ、雇用の減少を招くという予測が出る。自分の職業はどうなるのだろう? という思いでその表を見つめた人も少なくなかったはずだ。今年(2016年)3月には

  • 国立極地研究所 菅沼悠介 助教インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    地球の記録である、地質年代が書き換えられるかもしれない。大胆なアイデアと詳細な分析がもたらした新たな知見の根拠は、「地磁気逆転」という地球の壮大な営みが残してくれた地層の中にある。千葉県のある渓谷で見つけた地層とは? 地磁気逆転という現象、そしてそのときに起こる物理環境の変化とともに、地質年代特定の意味について、国立極地研究所の菅沼悠介さんに聞いた。 ◎地層というメディアを読み解き、意味をつける仕事 過去に起こったことを理解しようとするとき、時代をいくつかの共通する出来事で区切って整理する。日歴史であれば、縄文時代、弥生時代といったような環境や人の営みの変化、時代が下ると政治体制をもって「時代」として認知する。地球の過去の記録をひもとく際も同じように「時代の区分」を行う。だがそれは、当然のことながら文明が誕生する前の膨大な時間を扱うもの。記録があろうはずもない時代を伝えるメディアはなに

  • 近畿大学 有路昌彦 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    「近大マグロ」に続いて登場した「ウナギ味のナマズ」とはいったいどのようなものなのだろうか。味をよくするための工夫、既存のウナギ養殖設備で生産する技術、そして販路の開拓。経済学の知見で市場動向を予測し、新しい魚でマーケットを作る、近畿大学 有路昌彦教授に、「ウナギ味のナマズ」の意義と可能性を聞いた。 ◎人々がべたいのは、当に「ウナギ」なのだろうか? 「どうすれば、日の水産業は持続可能となり得るのか。それを、言葉だけではなく数字で明らかにして、実践できるようにするのが博士論文のテーマでした」と語るのが、「ウナギ味のナマズ」の仕掛人である有路昌彦さんだ。近畿大学に着任して8年目。水産経済学を教える研究者であり、3つの会社の役員、そして養殖魚を扱う会社の社長でもある。 ここ数年、ウナギの流通量は減少し、価格は高騰している。ウナギの稚魚であるシラスウナギの個体数が激減し供給量が少なくなってい

  • 北海道大学 中垣俊之 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    単細胞生物である粘菌が、迷路を解く。そして、粘菌が作るネットワークには、実際の鉄道網との共通点が見いだせる。そんな研究が、イグ・ノーベル賞を受賞した。多くの人が「おもしろい」というが、その当のおもしろさとはいったい何なのだろうか。中垣俊之さんは、粘菌を通してどんな世界を見つめ、何を表現しようとしているのか。 ◎人との「おもしろさ」の共有は、とても難しい イグ・ノーベル賞はノーベル賞のパロディといわれ、毎年ユニークで風変わりな研究を行った研究者に与えられる。「人を笑わせ、次に考えさせる研究成果を称えるものであり、普通でないことを褒め称え、創造的であることに栄誉を与え、科学、医学、技術における人びとの関心を刺激すること」が賞の精神だという。その言葉どおり、歴代の受賞テーマはどれもクスッと笑いが出るとともに、「こんなに身近に、そんなに面白い視点があったのか」と思えるものだ。家のノーベル賞がそ

  • 東京大学 小林俊行 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    東大に、立ち見学生が出るほどの熱気に満ちた授業があるという。しかも文科系の学部生向け数学だ。こんなにも学生を惹きつけるものは何なのだろう? その授業とはどんなものか。講義を行う小林俊行教授に、数学を通して伝えたいものとは何かを聞いた。 ◎準備に授業の10倍の時間をかける 小林俊行さん。根源的な発見や新理論の創始などで、後世に残る重要な業績を挙げ、さらに今後も学問の最先端で活躍し続けることが期待される国際的に著名な研究者に授与される「フンボルト賞」を受賞した数学者である。2015年に国際学術誌に出版した論文12は延べ300ページを超え、国際会議の招待講演は9回を数える。毎年このペースで成果を挙げながら、学部生の授業にも力を入れる。現在は、大学の制度上の調整により履修者数が制限されているものの、数年前までは立ち見や床座りの学生で、300人収容の大教室が溢れるような熱気につつまれる光景も頻繁に

  • 東京大学 関谷直也 特任准教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    東北地方太平洋沖地震、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年。災害研究・防災研究はどうあるべきなのだろうか? そして原子力災害にどう備えるべきなのか。原子力災害が引き起こす社会への影響を研究するのが、関谷直也東京大学特任准教授だ。原発事故時の避難実態、福島県内外の意識の差、産業や流通の変化、風評被害の実態について幅広く扱う、防災研究者である。 ◎福島県内と県外の人たちの、温度差 東日大震災、東北地方太平洋沖地震と東京電力福島第一原子力発電所事故は、人々の津波避難、広域避難、行政の対応などさまざまな問題を浮き彫りにしました。被災地から離れたところでも、東京など都市部での物不足や帰宅困難、計画停電、自粛など、私たちの社会が経験したことのない事態がつぎつぎに起こったことは、多くの方が記憶していることと思います。 地震や津波、そして原子力災害によって何が起こるのか、その背景にはどんな課

  • 早稲田大学 服部正平 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    地球上には、ありとあらゆる場所に細菌が存在する。ヒトの体も例外ではない。とくに腸の中には、約100兆個の細菌が暮らしているという。そして腸内細菌は健康に深く関係している。 だが、膨大な数の細菌をすべて調べることはできない。そこで用いられるのが、メタゲノム解析である。ヒトゲノム解析で大きな功績を残した服部正平教授は、現在、ヒトの常在細菌叢*(=腸内細菌叢)のメタゲノム解析に挑んでいる。 腸内細菌がヒトの健康に深く関係していることは、かなり前から知られていたことでした。しかしその数は膨大で、さらにその99%以上は実験室で単離・培養することができないため、実態は明らかになっていません。ひとつひとつ菌を取り出すのは、ほとんど不可能とも言える膨大な作業であるばかりか、それをしたところでヒトの体への影響などを総体として捉えることはできません。なぜなら、菌が作る環境は、複数の菌や環境との相互作用の中で成

  • 豊橋技術科学大学 岡田美智男 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    人の何倍もの力を持ち、瞬時に計算をこなして、高速で作動し、求められた通りの成果を出す。どこまでも正確に、どこまでも緻密に、どこまでも人間に近く……。そんな、ロボットのイメージとは正反対のロボットたちが「いる」。たどたどしく話し思わず助けてあげたくなる、役に立たないのに近くにいないとなんだか寂しい。そんな「弱いロボット」に取り組んでいるのは、豊橋技術科学大学の岡田美智男教授だ。ロボットとはなんなのか? 人はロボットと関わることでなにを得ようとしているのか? researchmap開発者の新井紀子教授が、弱いロボットの奥底にある意味を探る。 出迎えてくれたのは、岡田教授の研究室で生み出されたロボットたちだ。ゆらゆらとおぼつかない動きで近づいてくる〈ゴミ箱ロボット〉は、ゴミを見つけて近寄るものの拾うことはできない。人に近づいてペコと頭を下げるしぐさをする。ゴミを拾って入れてもらうと、またペコリ。

  • 東京大学 勝野正章 教授インタビュー - つながるコンテンツ - researchmap リサーチマップ

    教育学部における、教員養成を目的としない課程。その再編、見直しが迫られている。教員免許取得を目指さない教育学部の存在は、社会の中でどのような役割を担ってきたのだろうか。そして廃止は、社会にどのような影響をもたらすのだろうか。 教育学部の機能を概観し、これまで果たしてきた役割、そしてこれからの社会で果たす役割について勝野正章教授に聞いた。 教育学部には、旧師範学校の流れをくむ教員養成を目的としたコースのほかに、教員免許の取得を卒業要件としない、いわゆる「ゼロ免課程」と呼ばれる課程があります。ゼロ免課程を卒業した人は、地元の一般の企業などに就職して会社員になるといった進路を選択しています。今年6月、文部科学省は人文社会系学部、教育学部の廃止を盛り込んだ通知を出しました*。この中では、ゼロ免課程を廃止することが一つの柱となっています。この背景にあるのは子どもの数の減少ですが、音は国の財政的な負