ディープラーニング技術などを手掛ける企業や研究者が中心となり、同技術の推進団体「日本ディープラーニング協会(JDLA:Japan Deep Learning Association)」が発足した。理事長は東京大学大学院工学系研究科 特任准教授の松尾豊氏。ディープラーニング技術の人材不足解消や産業界での活用促進などを目指す。

2014年の機械学習界隈で話題となったのが米グーグルの DeepMindが発表した「Neural Turing Machine(NTM)」1)である。NTMは、人間が問題に合わせてプログラムを逐一記述しなくとも、例示からの学習によって小規模なアルゴリズムを自己獲得する技術だ。ニューラルネットワークの技術を基にしている。連載の第1回では、なぜNTMが注目されたのかについて背景を説明する。 NTMは現時点では入力のデータ量が小さく、人が書けるようなアルゴリズムで解ける問題しか扱えていない。しかし今後は、人にすら書くことが不可能な複雑なアルゴリズムを学習できる可能性がある。例えば、ロボットや自動運転システムで複数のセンサを用いて複数のアクチュエータを制御するアルゴリズムを学習ベースで実現できる可能性がある。 記憶の仕組みが欠けていた ニューラルネット 人間がプログラムで記述するような複雑なアルゴ
米Google社傘下で、囲碁を打つ人工知能「AlphaGo」を開発した英Google DeepMind社と米Stanford Universityの研究者は、人間などの脳の解剖学的知見を基にした学習と記憶のモデルを共同で提案したと、学術誌「Cell」などを出版する米Cell Press社が発表した。論文もCell誌の「Trends in Cognitive Science」で無料公開された。AlphaGoのような特定用途の人工知能を、人間に近い汎用人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)に近づける試みの1つといえる。 論文の著者は3人。筆頭著者は、DeepMind社のDharshan Kumaran氏。同氏は英University of College London、Institute of Cognitive Neuroscienceの研究者でも
NTTは、現在の4K映像の圧縮と伝送に用いられている動画の符号化技術「H.265/HEVC」の“次々世代”という符号化技術を開発中だ。 同社の言う“次々世代”は、まだ実用段階にはない将来技術、という意味である。ただし、一度実用化されれば、“最後の符号化技術”になる可能性がある。理由は、人工知能の一種を用いることで符号化のアルゴリズムが勝手に進化し、自ら符号化性能を高めていくからである。 今回、符号化技術に用いている人工知能は、「進化的(または遺伝的)プログラミング(GP)」と呼ばれる技術である(図1)。GPを用いた動画符号化技術では、生物の進化のプロセスを模倣して、次第に圧縮率を向上させる。具体的には、遺伝子の突然変異による組み換えと環境適合性の結果としての自然淘汰を、乱数による関数や論理演算のランダムな組み換えと、圧縮率の向上に置き換える。関数などのランダムな組み換えで、結果として圧縮率
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