多くの親は、テレビやゲームは子どもに悪影響を及ぼし、勉強の時間を奪う低俗な遊びだと思っている。この一般認識は必ずしも間違いではないが、テレビやゲームに費やす時間を減らせば、学習時間がその分増えるわけでもない。両者の相関関係を見つけるのは簡単だが、明確な因果関係を見いだすことは難しい。因果的効果を見誤ってしまった場合、子どもをテレビやゲームから遠ざけ、無理に机に向かわせても単なる無駄な努力で終わってしまうだろう。 ここで親ならば誰もが強い関心を持つであろう質問を提起したい。つまり子どもからテレビやゲームを取り上げれば、子どもは勉強時間を増やすのだろうか。また、テレビやゲームに費やす時間と勉強時間との間にトレードオフの関係はあるのか。このような問題は学童期の子どもをもつ親だけでなく、政府・自治体、授業時間を策定する各学区にとっても、経済的、文化的、社会的資本の家庭格差が拡大している現状において