天皇訪韓の条件として謝罪を求めるなどした李大統領の発言に対し、宮内庁幹部や政府関係者からは「理解不能だ」「これで訪韓が100年遠のいた」と戸惑いの声があがっている。 1984年の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の来日以来、李明博氏を含む韓国の歴代大統領は天皇の訪韓を求めてきたが、天皇陛下が自ら訪韓の希望に触れたことはない。憲法上、国政に関する権能を持たない天皇の外国訪問は、あくまで国際親善が目的であり、訪問先も政府が決めるものだからだ。 一方、政府は天皇訪韓を水面下でたびたび検討してきた。しかし日本による植民地支配をめぐる歴史的経緯から懸念も大きく、「危険がゼロにならないと難しい」(元宮内庁幹部)との慎重論が根強かった。86年に皇太子ご夫妻(いまの天皇、皇后両陛下)の訪韓計画が浮上した際は、皇太子妃(いまの皇后さま)の健康状態などから見送られている。 ただ、天皇陛下は折に触れて朝鮮