地域エコノミストとして全国各地を巡っている藻谷浩介氏。市町村合併前に約3200あった全地方自治体を踏破している。各地の実情、地勢、風土まで知り尽くした氏が地域経済を眺めていて感じることとは、何か。 国主導の地方創生がうまくいかないわけ 私は長年、地域の再生や地方活性化について発言してきた。そうしたなか、国が「地方創生」をスローガンとして掲げ、人口減少問題に正面から取り組む姿勢を見せたことは、他のどんな論者よりも高く評価している。東京都豊島区ですら、消滅可能性のある自治体と名指しされたくらいで、人口減少は日本中のすべての自治体が直面する問題なのだ。 とはいえ国が予算を付けて行うことは、とかく「補助金ビジネス」の温床となりがちだ。全市町村に「地方創生計画」策定を義務付けたところ、不勉強な自治体ほど地方の現状をわかっていないコンサルタントに丸投げすることとなり、相も変わらず道路や箱モノ中心の形式
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