2015年、オバマ政権時にアメリカとの国交が回復したカリブの島国キューバ。同年にアメリカからの渡航・送金・投資などの規制が緩和され、経済成長率は3.5%上昇した。だがトランプ政権になった2017年、経済制裁は再び引き締められる。さらに支援国ベネズエラの政情不安も重なり、キューバは大きな経済危機に見舞われている。 キューバ革命前、アメリカの半植民地状態だった頃を知る世代からは、「あの頃より今のほうがいい」という声も多いが、革命後に生まれた若者は日々何を感じて生きているのか。幼少期から海外に憧れ、独学で日本語を習得したリーさん(36歳)に話を聞いた。 どん底の時代に大ヒットした「おしん」 「僕が子どもの頃、キューバには電気も食べ物も、何もありませんでした」 リーさんが幼少期を過ごした1980年代後半から1990年代にかけては、社会主義国にとって厳しい時代だった。1959年の革命以降、アメリカか