日本の労働現場のしんどさに対して、私たちはいったい、どうしたらいいのか? 労働運動の歴史や思想に精通した『ブルシット・ジョブの謎』の著者・酒井隆史氏(大阪府立大学教授)と、長時間労働やパワハラなどの労働相談を日々受けてサポートを行ってきた『大人のいじめ』の著者・坂倉昇平氏(労働問題に取り組むNPO法人「POSSE」理事)に、市場の論理に回収されない「働くことの自律性」を取り戻すためにどんなことがなしうるかについて、語り合ってもらった。 (取材・構成:飯田一史) 他人に答えを求めるのをやめよう 酒井 よくイベントで質疑応答の時間があると「じゃあ、どうしたらいいんですか」と訊かれます。『ブルシット・ジョブの謎』の刊行記念イベントでも同様でした。 本当はそこで、答えを他人に求めるのをやめて自分で模索を始めたときにこそ、われわれは解放される、といいたいのですが、なにか無責任な気もして、いつもどうし
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