タグ

ブックマーク / kaikaji.hatenablog.com (116)

  • ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ

    インターネットメディアのSYNODOSに、「中国の所得格差はどうなっているのか」という記事を寄稿しました。中国社会を語る際の「定番ネタ」の一つである所得格差の問題について、政府が公表しているジニ係数の変動、「灰色収入」の存在とその規模、国有/非国有部門間の賃金格差、などの観点から整理しています。 さて中国の所得格差については日でも関心が高い話題で、そのことはいいのですが、中にはかなりミスリーディングな紹介記事も見受けられます。例えば、少し前の『読売新聞』の記事です。オリジナルのリンクが切れているので「魚拓」を取っているサイトをリンクしておきます。 「中国で貧富の差拡大、ネット関連報道は次々削除 -読売新聞」 【上海=鈴木隆弘】23日付の中国紙・南方都市報によると、西南財経大学(四川省成都)の研究チームは、中国の全世帯の10%を占める富裕層が、全国の総資産の63・9%を所有しているとする「

    ジニ係数に関するヘンテコな言説 - 梶ピエールのブログ
  • お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ

    2月3日発売の、『週刊東洋経済』2月8日号のコラム「中国動態」に寄稿しました。今回は、先日北京の自宅で公安当局によって拘束された、中央民族大学副教授で、ウイグル人と漢人の交流を目指したウェブサイト「ウイグル・オンライン(現在閉鎖中)」の主催者としても知られるイリハム・トフティ氏の言論活動について書いています。 イリハム氏の拘束については日でも様々なメディアが伝えており、その多くは「習近平政権による少数民族ウイグル人に対する抑圧的姿勢」の現れ、というスタンスで報道しているように思えます。もちろんそういった側面があることは否定できません。が、僕自身はそれよりも、イリハム氏が「ウイグル・オンライン」で展開してきた言論活動において、現行の中国の体制と憲法の枠組みを尊重し、憲法や法律で保障されているはずの言論や宗教活動の自由を訴える姿勢を明確にしていたことを重視したいと思います。つまり、自らの言論

    お仕事のお知らせ - 梶ピエールのブログ
  • 習近平政権が恐れているものは何か。 - 梶ピエールのブログ

    変わる中国 「草の根」の現場を訪ねて ジャンル: ・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > ノンフィクション > その他ショップ: ぐるぐる王国 楽天市場店価格: 1,512円 著者の麻生さんよりご恵投頂きました。ありがとうございます。 「中国:新公民運動の中心・許志永氏に懲役4年 秩序騒乱罪『毎日新聞』2014年01月27日 北京市第1中級人民法院(地裁)は26日、中国で憲政の実現などを訴える「新公民運動」の中心的人物で、公共秩序騒乱罪に問われた著名活動家、許志永氏(40)に懲役4年を言い渡した。 新公民運動は中国憲法の範囲内で市民の権利擁護を求める動き。許氏の弁護士によると、公共秩序騒乱罪の最高刑は懲役5年。習近平政権下で、平和的な手段で民主活動を主導してきた許氏がどう裁かれるかが注目されていた。 起訴状などによると、許氏は12年から13年にかけ、出稼ぎ労働者の子が教育を受け

    nagaichi
    nagaichi 2014/01/29
    一昔前なら、その手の中国社会の横の紐帯は「幇」と呼ばれていたし、中国革命の原動力にもなったのですがね。
  • ハイエクの「自生的秩序」と中国経済 - 梶ピエールのブログ

    以下の文章はこの夏行われた大阪大学のフォーラムで行った報告に対するコメントへのリプライとしてまとめたものです。上の内容と関連性があるような気がしますので、ここで公開しておきます。 ================= (中略)さて、ハイエクの「自生的秩序」の概念を考える上で欠かすことができないのが、1930年代にハイエク、それにミーゼスといったいわゆるオーストリア学派の経済学者とオスカー・ランゲらの間で交わされたいわゆる「社会主義計算論争」である。 この論争については既にいくつもの研究論文や解説書が存在しているので、詳しい説明はそれらに譲りたい。ただ、ここで重要なのは、西部忠が指摘するように、中央集権的な社会主義計画経済において、意思決定が「分権的」な市場経済と同じような効率的な資源配分が可能だ、と主張する立場(ランゲ)と、その可能性を否定する立場(ミーゼス・ハイエク)との論争を通じて、次第

    ハイエクの「自生的秩序」と中国経済 - 梶ピエールのブログ
  • コース先生もびっくり!−ポスト薄の重慶と「地票制度」の実験− - 梶ピエールのブログ

    先日、「空中権」という聞き慣れない言葉がニュースで流れたことがあった。これは、先日完成した東京駅の復元改修工事にあたって、東京駅の駅舎敷地で未使用となっている容積率を、JR東日がその周辺の新築ビルに売却し、復元工事にかかる費用およそ500億円をそれによってまかなうというものだ。これは東京都千代田区の一部が「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」として指定されたことを受けたもので、東京駅の周辺ビルは、空中権を購入することによって来の容積率以上の高層ビル化を実現できるようになった。 このような「空中権」すなわち容積率の取引は、経済学で言う「コースの定理」、すなわち来市場では解決できないはずの経済活動の「外部性」を、排出権や空中権といった所有権を設定することで「内部化」し、市場取引によって解決しようという考え方に基づいている。経済活動と環境汚染物質の制限を両立させる排出権取引の制度

    コース先生もびっくり!−ポスト薄の重慶と「地票制度」の実験− - 梶ピエールのブログ
  • マルクスからカント、そしてヘーゲルへ - 梶ピエールのブログ

    経済大陸アフリカ (中公新書) 作者: 平野克己出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/01/24メディア: 新書購入: 34人 クリック: 844回この商品を含むブログ (31件) を見る すでにあちこちで高い評価を得ている書だが、個人的には「アフリカ問題を考えることは、これからの国際秩序のあり方について考えることだ」そんな感想をいだかせる内容の濃い啓蒙書だった。 現在のアフリカの経済成長といえば中国の経済援助や企業進出は切っても切り離せない関係にある。そんな中国の関与はアフリカ諸国にとって「ベストなものではないがベターである」というのが書を読んで得られた感想だ。確かに、中国アフリカ進出は完全に資源確保のためであって、何かご立派な理念がそこにあるわけではない。ただ、一方的に収奪しているわけではなく、間違いなく現地経済の成長に寄与している。その意味で中国アフリカ関与が「

    マルクスからカント、そしてヘーゲルへ - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2013/04/02
    国民国家を作るには、氏族・封建制の解体と国民(国語)教育が必要だろうけど、資源ありきの非干渉的関与がそれを生んだりするのだろうか。
  • 会社派、土着派、エセ和僑−日中を語る際の「もう一つの倫理」− - 梶ピエールのブログ

    この記事は「「中国論」の論じ方」および「「普遍性」をいかに追求するか、という課題」の続きです。だいぶ間が空いてしまいすみません。 和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日人 作者: 安田峰俊出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/12/15メディア: 単行 クリック: 26回この商品を含むブログ (12件) を見る 安田峰俊著『和僑』は、一作ごとに力をつけてきた若手ライターによる、やくざ、風俗嬢、農民など、中国にかなりディープに根を下ろして生活する日人を取材した、格的なルポルタージュである。書で安田がインタヴューを行った対象、すなわち共感を持った日人に共通する特徴とは何だろうか。一言でまとめるなら、「日社会では生きがたい人々」これに尽きるだろう。それが望ましい結果をもたらすとか、新たな日中関係を切り開くとか、そういったお題目ではなく

    会社派、土着派、エセ和僑−日中を語る際の「もう一つの倫理」− - 梶ピエールのブログ
  • 「中国論」の論じ方 - 梶ピエールのブログ

    人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 子安宣邦氏の『日人は中国をどう語ってきたか』は、日思想史研究の重鎮が、明治以来の日の知識人による中国論の丹念な読み直しを通じて、「日思想にとっての中国」とはどういったものか、そしてそれが欠落させてきたものは何か、をあぶり出そうとする力作である。著者が中国研究の「外部」の人間であるだけに、「内部」にいる中国研究者にとってはむしろ盲点になるような、鋭い問題提起を展開したものとして読んだ。 こので批判されている中国論は、二つの類型にわけることができるだろう。一つ目は内藤湖南に代表されるもので、中国をスタティックな文化論の観点から「他者」として語るものである。この議論は、その「冷たさ」の面、中国の動

    「中国論」の論じ方 - 梶ピエールのブログ
  • 2012年の読書:中国との関わりかたを考える本 - 梶ピエールのブログ

    今年は日中国交正常化40周年とそれをぶちこわすような尖閣問題の発生があった、ということで、日中関係を改めて問い直すようなが多数出版されました。・・が、正直なところこちらの指が動くようなものはあまりありません。 そんな中で、個人的に面白かったのは、最近出版されたこの2冊です。 日人は中国をどう語ってきたか 作者: 子安宣邦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2012/11/21メディア: 単行購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る 和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日人 作者: 安田峰俊出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/12/15メディア: 単行 クリック: 26回この商品を含むブログ (12件) を見る この二冊は著者の立ち位置も、扱っている対象も、論述のスタイルもまるっきり対照的です。前者は日

    2012年の読書:中国との関わりかたを考える本 - 梶ピエールのブログ
  • 大阪府警による下地さんたちの逮捕・拘留に抗議します。 - 梶ピエールのブログ

    twitter等ではよく流れている情報なのでご存じの方も多いと思いますが、阪南大学准教授の下地真樹さんともう一人の方が、12月9日に「威力業務妨害」などの容疑によって自宅で逮捕され、現在も拘留が続いています28日付で下地さんともう一人の方が処分保留で釈放されました。ただ、同じ件で(別件で拘留中に)逮捕された別の方が起訴されたとのことです(下記の抗議署名サイト参照)。 下記のウェブサイトは、彼が積極的にコミットしてきた大阪の震災がれき広域処理反対運動に関わる人達による、(11月にも起きた逮捕劇への抗議として立ち上げられた)支援サイトです。 http://blog.goo.ne.jp/garekitaiho1113 また、ネットでの署名活動も始まっています。 http://keepcivicactivity.jimdo.com/ 上記のサイトにおける説明によれば、10月17日に、下地さんたちが

    大阪府警による下地さんたちの逮捕・拘留に抗議します。 - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2012/12/15
    ガレキ受け入れにはむしろ賛成だし、ニセ科学は嫌いだし、でも脱原発派な俺…というエクスキューズが必要かどうかは知らないが、この逮捕は不当と考える。
  • アナーキー・イン・ザ・PRC - 梶ピエールのブログ

    先日、梅田の駅ビルに出来た映画館で、姜文監督の『さらば復讐の狼たちよ』を観た。評判に違わず、娯楽作品として完成度が高いだけでなく、今の中国を考えるにあたって格好の題材を提供してくれる傑作だと思う。この作品は特にリベラルな知識人層から絶賛されたと理解しているが、この作品で明らかになったのは、姜文のリベラリストというよりもむしろアナキスト的な側面だという印象を受けた。映画の内容とその政治的な「読み方」については、福島香織さんによる以下の記事が詳しいのでそちらを参照のこと。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120702/234035/?top_updt&rt=nocnt 上にも書いたように、姜文はどちらかというと左派よりはリベラル派に人気のある監督だと思うが、姜文自身の立ち位置は典型的なリベラリズムとはかなり距離があると思う。いわゆる

    アナーキー・イン・ザ・PRC - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2012/07/11
    ちなみに嵯峨隆「近代中国アナキズム研究」はここで読めます。 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3094430 と言いつつまだ読んでない俺ガイル。
  • イギリス帝国とアジア、日本 - 梶ピエールのブログ

    イギリス帝国の歴史 (中公新書) 作者: 秋田茂出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/06/22メディア: 新書購入: 3人 クリック: 90回この商品を含むブログ (22件) を見る グローバルヒストリーの成果を一般読者向けに説いた良書が目立つようになっている。羽田正著『新しい世界史へ――地球市民のための構想 (岩波新書)』が文字通りの入門編だとしたら、近代イギリス帝国の成立が世界史に与えたインパクトを、アジアにおける各国史の成果をふんだんに取り入れながら整理した書はその各論編といったところか。 書の詳細な内容については山下ゆさんがまとまりのよいブログ記事を書かれているので、そちらを参照のこと。 http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/51987700.html 僕自身の関心で言うと、以前に書いた以下のブログ記事の内容がが

    イギリス帝国とアジア、日本 - 梶ピエールのブログ
  • 汪暉、重慶事件を語る(下) - 梶ピエールのブログ

    (承前)汪氏の論説に対する批判の二点目は、彼が温家宝による「密室政治」を攻撃するあまり、現代中国社会における様々な矛盾をことごとく温とそのブレーン、ならびに彼らが推し進めようとしている「新自由主義」政策に帰する、という一種の陰謀論になってしまっている点だ。 たとえば彼は、広東省に基盤を持つ南方系メディアを中心として「メディアの政党化」、「政治家のメディア化」が生じているとして、以下のような批判を行っている(『世界』7月号253ページ)。 第一級の党メディアの系統と第二級の党メディアの系統(たとえば南方系など)が緊密に連携をとって、民主、自由、開放の名の下に「真相政治」を弄んだ。それらの基調と温家宝の記者会見のレトリックは完全に一致するものであり、そこで「人民の目覚め」、「改革開放」、「政治民主」などの言葉が使われた。このような虚飾に満ちた言語が密室政治を通じて「真相」を操作するのである こ

    汪暉、重慶事件を語る(下) - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2012/06/22
    「中国だけでなく、日本の政治状況についてもまさに同じことが当てはまると思うので、あえて強調しておきたい。」
  • 汪暉、重慶事件を語る(上) - 梶ピエールのブログ

    岩波書店の月刊誌『世界』7月号に、 北京の清華大学教授で新左派の代表的な論客、汪暉氏による「重慶事件──密室政治と新自由主義の再登場」 という論考が掲載されている。 中国の内外を問わず大きな衝撃を与えた事件に関する著名な知識人の発言であり、またその内容も色々な意味で興味深いものだった。論考の趣旨はおおむね以下の通りである。 1.今年二月に生じた王立軍の米国領事館駆け込み事件および薄熙来夫人である谷開来の英国人スキャンダルに端を発した一連の政治スキャンダルと、重慶モデルという「社会実験」の評価は、来区別して論じるべき問題である。 2.重慶モデルという社会実験は農村都市化をめぐる「地方間競争」の一つのモデルであり、もちろんその方式には賛否両論あったものの、基的にその成果は広く市民の評価に対しに開かれたものであった。それが今年の「両会」以来、「密室政治」のもとに葬り去られようとしているのは憂

    汪暉、重慶事件を語る(上) - 梶ピエールのブログ
  • 「いやな感じ」の正体 - 梶ピエールのブログ

    ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book) 作者: 安田浩一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/18メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 372回この商品を含むブログ (72件) を見る 講談社『g2』で連載中からなにかと話題になっていたこのについては、これから活字メディア、ネット上を問わず多くの言及がなされていくことと思う。僕にとっては、なによりも拙著『「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか』、特に第11章「村上春樹から現代中国を考える」で展開した問題意識に、あまりにドンピシャと響く内容だったので、とりあえず直接関連する記述を以下に引用しておきたい。 たとえば、2005年当時の激しい反日デモやサッカースタジアムにおける「小日」や「シャービー(=女性器を意味するスラング)日」の大合唱の映像をニュースでみ

    「いやな感じ」の正体 - 梶ピエールのブログ
  • 中国農民はなぜ「土地改革」を受け入れたのか - 梶ピエールのブログ

    中華人民共和国誕生の社会史 (講談社選書メチエ) 作者: 笹川裕史出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/09/09メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る ここのところのブログ記事を読んでもらえれば、僕が最近明清中国の社会経済史について関心を深めていることには気がついてもらえると思う。これはもちろん、こういった「伝統中国」に関する理解を深めること現代の中国を理解するのに不可欠だという問題意識による。 たとえば、中国農村が封建的な階級対立のアリーナだった、という議論は「農村革命論」という公式イデオロギーの成立に大きな役割を果たした。しかし、先日紹介した足立啓二氏の著作でも示唆されているように、伝統的な中国農村では、貧しい農民が経済的に地主(が経営する土地)に従属するケースはあったかも知れないが、経済外の身分的な制約によって土地に縛り付

    中国農民はなぜ「土地改革」を受け入れたのか - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2012/04/25
    前近代の中国では飢饉が起こると流民が大量に発生して王朝を不安定にしたわけで、そういう意味での農村の流動性は日本の比でなく高かったとは思う。
  • ある顛末 - 梶ピエールのブログ

    先日、「たぬき日乗」さんのブログ記事とそれに僕がつけたブックマークコメントをめぐって、twitter上で僕と與那覇潤氏、池田信夫氏との間にちょっとしたやりとりがありました。 この点について、たぬき氏もおわびの記事を書かれていますが、僕自身も一連のツイートの中で、池田氏のブログ記事がRosenthalとWongの著作の正確な要約に基づいていることを確認しないで批判するなど、かなり軽率なツイートをしてしまったことは深く反省しています。 さて、たぬき氏がその後一連のトラブル?の顛末を丁寧にまとめる記事を書かれていますが、これが非常に興味深い。 たぬき丸焼けの顛末(1)http://d.hatena.ne.jp/Raccoon1980/20120416/1334547642 たぬき丸焼けの顛末(2)http://d.hatena.ne.jp/Raccoon1980/20120416/1334548

    ある顛末 - 梶ピエールのブログ
  • 日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(後)− - 梶ピエールのブログ

    (承前)。第三部「財政と貨幣の特質」は、財政と貨幣制度について。個人的には専門上最も関心を持って読んだところ。専制国家と封建社会との異なる性質は、財政の大きな影響力とそれに規定された貨幣流通の仕組みにも現れている。 ここでは、貨幣のもつ二つの側面とその対比が強調される。一つは、ウェーバーなどによって強調された、共同体内の支払い手段としての貨幣=「内部貨幣」である。そしてもう一つの側面が共同体間の交易を仲介する手段としての貨幣=「外部貨幣」である。これはマルクスによって強調され、その後岩井克人や柄谷行人の貨幣論のよりどころとなったことで知られている。伝統中国の文脈では、前者を代表するのが銅銭あるいは元代に用いられた紙幣(紙製通貨)など、後者が銀であることはいうまでもない。 さて、銀が通貨として用いられ始めたのは明代になってからなので、それまでの非常に長い時間にわたって銅銭のみが貨幣として用い

    日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(後)− - 梶ピエールのブログ
  • 日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(前)− - 梶ピエールのブログ

    ここ1,2年、中国は独自の発展モデルを持っているとか、ワシントンコンセンサスから北京コンセンサスだとか、いや中国を初めとしてこれからは国家資主義の時代だとかいった議論がかまびすしい。しかし、書はそのようなその時々の情勢に影響された時論や、あるいは現政権の正当性を追認するだけような底の浅い議論が吹っ飛んでしまうような重量級の実証研究である。 汲古叢書99 明清中国の経済構造 作者: 足立啓二出版社/メーカー: 汲古書院発売日: 2012/02/10メディア: 単行 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 著者の足立氏はよく知られるように、1998年に出版された『専制国家史論―中国史から世界史へ (叢書 歴史学と現在)』が話題となった際に、西尾幹二氏や坂多加雄氏といった人々−端的に言えば「新しい歴史教科書をつくる会」関係の人々−にその議論が積極的に評価される、ということがあった。そ

    日本は果たして中国化するのか?−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む(前)− - 梶ピエールのブログ
    nagaichi
    nagaichi 2012/04/06
    「専制国家論」も「アジア的専制」の発展ver.とか言っちゃダメですか?w
  • 「公正な分配」をめぐる競争 - 梶ピエールのブログ

    3月5日より中国の全国人民代表が始まり日のメディアでも一斉に温家宝首相の演説の内容などを報道したが、興味深いのはそれまで欧米メディアに比べてそれほど高い関心が払われていたとは思われない、烏坎村の選挙についての取材報道が相次いでいることだ。そのほとんどが「公正な選挙の実施」「住民の民主化要求が実現」といった欧米メディアのフレームワークに近い形で行われているように見受けられる。 しかしながら、僕自身はこういった報道スタンスには物足りないものを一貫して感じてきた。現在「農村=都市一体化」を政府が取り組むべき最重要課題の一つとして位置づけている中国では、その際に不可欠な土地開発をめぐる問題点と、農民土地市民の待遇差に起因する戸籍改革という中国社会の問題点の解決をめぐって、地域間で盛んな「制度間競争」が繰り広げられている。烏坎村の事例も、基的にそのような文脈から理解されるべきだと個人的には考えて

    「公正な分配」をめぐる競争 - 梶ピエールのブログ