日本は果たして中国化するのか？−足立啓二著『明清中国の経済構造』を読む（前）− - 梶ピエールのブログ

ここ1，2年、中国は独自の発展モデルを持っているとか、ワシントンコンセンサスから北京コンセンサスだとか、いや中国を初めとしてこれからは国家資本主義の時代だとかいった議論がかまびすしい。しかし、本書はそのようなその時々の情勢に影響された時論や、あるいは現政権の正当性を追認するだけような底の浅い議論が吹っ飛んでしまうような重量級の実証研究である。 汲古叢書99 明清中国の経済構造 作者: 足立啓二出版社/メーカー: 汲古書院発売日: 2012/02/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 著者の足立氏はよく知られるように、1998年に出版された『専制国家史論―中国史から世界史へ (叢書 歴史学と現在)』が話題となった際に、西尾幹二氏や坂本多加雄氏といった人々−端的に言えば「新しい歴史教科書をつくる会」関係の人々−にその議論が積極的に評価される、ということがあった。そ

[haruhiwai18]

"明代から清代にかけての中国には明らかにそのような小経営農業の発展が見られた""伝統中国を「マルサスの罠」から抜け出せない停滞した社会としてみることは大きな誤り"　→足立啓二著。／後半も必読な内容。

[nagaichi]

「専制国家論」も「アジア的専制」の発展ver.とか言っちゃダメですか？w

[hobbling]

進歩の形は国それぞれだよね。マルクス史観とか中国化とかでくくれるもんではないだろう。

[bitheiboo]

書評を読む限り非常に興味深い内容。自分も「中国封建制論」・「段階的発展論」・「中国停滞論」・「異質論」いずれにも飽きたらなさを感じてきたので、本書でその辺をどう論じているか読んでみたくなった。

[ssuguru]

中国が清朝から順調に経済成長を遂げていたら世界はいまより経済的にも文化的にも豊かだったんだろうなー。資源や環境の問題はもっと深刻になっていたかもしれないけど。

[maturi]

”「宋はすごかった説（＝裏返しの明清停滞論）」を採用している歴史家（マディソン、エリックジョーンズ、マクニール、そして與那覇潤）にも、このような明清期の農業発展がもつ意義はほとんど共有されていない。”

[ilya]

▼足立啓二新著から京大「中国史研究会」をめぐって：2012年3月20日（火） - Togetter　http://togetter.com/li/277259

[judgeer]

P

[kinbricksnow]

小農社会の発展に関する実証的な知見こそが、足立氏の専制国家史論をいわゆる「中国停滞論」とを明確に隔てるものであるといってよい。それ故に、つくる会系の人々があえてこの点をスルーしたのはまあ当然

[REV]

「原始共産制→奴隷制→封建制→資本制→社会主義へと進化していく段階論的な「世界史の基本法則」」　西欧以外に一般化するのはねぇ、みたいな。

[shinichiroinaba]

『専制国家史論』大暴騰について