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ブックマーク / hiiragi-june.hatenadiary.org (5)

  • 「捏造」の本来の読み方が「でつぞう」とは!  - 言語郎−B級「高等遊民」の妄言

    (第323号、通巻343号) 「神の手」。日の考古学の歴史を根底から塗り替えるような“旧石器”を次から次へと発掘してきた東北地方のアマチュア考古学者・F氏は、そう呼ばれていたが、実は「捏(でっ)ち上げの手」だった。今から13年前、毎日新聞はF氏の捏(でっ)ち上げの現場をビデオカメラに収め、「旧石器発掘ねつ造」とスクープした。日史の教科書が、旧石器時代の項をそっくり訂正せざるをえないほどの衝撃的なニュースだった。 この大スクープの裏側を描いたドキュメント『発掘捏造』(新潮文庫)がたまたま私の団地の共用図書館の書架にあった。すぐに借り出して一気に読了した。「捏造」の「ねつ」が紙面では、ひらがなになっているのは、常用漢字でないためで、新潮文庫では表紙に「はっくつねつぞう」とルビが振られていたが、「捏」とはそもそもどんな意味なのかと家人に尋ねられ返事に窮した。 漢和辞典2、3冊にあたってみたと

    「捏造」の本来の読み方が「でつぞう」とは!  - 言語郎−B級「高等遊民」の妄言
    nagaichi
    nagaichi 2013/04/03
    さすがに残滓は今でも「ざんし」と読むでしょと思ったけど、自信がなくなってきた。
  • 「違くない」「好きくない」。動詞の形容詞化の兆し - 言語郎−B級「高等遊民」の妄言

    (第305号、通巻325号) 「ちがくない」、「すきくない」。こんな妙な言い方を耳にするようになったのはいつごろからだろうか。若者たちの間ではすでに20年ほど前から使われていた、と言う人もいる。一時的なハヤリとは言えない。日語文法の変化の兆候の一つだろう。「違う」を否定するなら「違くない」ではなく、「違わない」とすべきであり、「好き」の否定なら「好きくない」ではなく、「好きでない(好きじゃない)」とするのが普通だが、言葉の変化は、前回のブログになぞらえて言えば「すごい速い」と感じる。 「違う」はれっきとした動詞だ。語幹は「ちが」。5段活用なので、否定の助動詞「ない」に接続するときは未然形の「わ」の活用語尾を付けて「違わない」となる。『明鏡国語辞典 第2版』(大修館書店)には、「違う」の見出しの語義の後にわざわざ[注意]を設け、以下のように述べている。 [「違く」の形で形容詞のように使うの

    「違くない」「好きくない」。動詞の形容詞化の兆し - 言語郎−B級「高等遊民」の妄言
  • 「消耗」の読みは「しょうこう」か「しょうもう」か

    (第94号、通巻114号) 前号で「ちょっと」という単語を題材に日語を学ぶ外国人にはなかなか理解しにくい言葉の多義性について述べたが、意味はともかく漢字の読み方については日人にとってもかなりやっかいなものがある。中には、誤読や慣用読みがいつの間にか一般化し、ほとんど大多数の人が来の「標準語」と思いこんでいる言葉も少なくない。 その中から日常よく使われる代表的な言葉を仮に「三大慣用読み」と名付けて独断で選んでみよう。 まず、標題に挙げた「消耗」。体力を消耗する、機械の消耗(傷み)が少ない、消耗品、など「使ってその分だけ減ること」の意で使われる。読み方は、あえて言うまでもなく「しょうもう」というのがふつうだろう。もちろん、私もそう発音している。ところが、国語辞書にはどれもそろって「『しょうこう』の慣用読みが定着したもの」(大修館書店『明鏡国語辞典』)、「もと正音セウカウ(しょうこう)の誤

    「消耗」の読みは「しょうこう」か「しょうもう」か
    nagaichi
    nagaichi 2008/10/22
    誤用が慣用化しても、それでいいのだ。言葉は生き物で不断に変化し続ける。「正しい」言語なんてこだわるほうがバカバカしい。
  • 言語楼―B級「高等遊民」の戯言 - 続・「立ち上げる」はパソコンから生まれた新語?!

    (第37号、通巻57号) 前々回の「立ち上げる」(9月5日号)は、予想外に反響が大きかったが、意を尽くせなかった部分もある。逆に筆が滑った個所もある。その後の知見も加え「続編」として二、三補足したい。 「立ち上がる」は昔からある言葉だ。この語に、「機械類が起動する」「機械に電源が入る」という意味が加わったのはそう古いことではあるまい。文法的に言えば、「起立する」「身を起こす」という伝統的な意味で使う場合と同じく自動詞(5段活用)である。「救援活動に立ち上がる」という用法になると、他動詞的な感じが少し加わるが、それでもあくまで自動詞であることに変わりはない。 国語学者の金田一春彦氏によれば、他動詞として使いたい時は「立ち上がらせる」というように言った、という。たとえば「母親が子供の手を取って、立ち上がらせた」というように使ったのである、と用例を示している《注1》。 この用法から「立ち上げる」

    言語楼―B級「高等遊民」の戯言 - 続・「立ち上げる」はパソコンから生まれた新語?!
    nagaichi
    nagaichi 2007/09/20
  • 言語楼―B級「高等遊民」の戯言 - 「立ち上げる」はパソコンから生まれた新語?!          

    (第35号、通巻55号) パソコンが普及するにつれ、様々な新語が生まれた。インターネット、インストール、ソフト、Eメール、フリーズ、マウス、クリック…。今ご覧いただいている『言語郎』という珍妙なタイトルのブログ。この「ブログ」という用語自体も一般に広まってからまだ10年もたっていない新参者だ。 パソコン、もっと広げてI T 関連の新語というと、英語から日語に入ったカタカナ語がほとんどすべて、と思われがちだ。しかし、数はそれほど多くないものの、昔からある日語の語彙にも影響は及んでいるのである。 中でも注目すべき例は「立ち上げる」という動詞だ。単に「パソコンを立ち上げる」と使うのが一般的だが、最近は他の分野にも転用され「ベンチャー企業を立ち上げた」とか「チームを立ち上げる」とか、なにか大きな企画、事業を始める時に使われるようになった。 ところが、この「立ち上げる」という語そのものが“新語”

    言語楼―B級「高等遊民」の戯言 - 「立ち上げる」はパソコンから生まれた新語?!          
    nagaichi
    nagaichi 2007/09/07
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