古来、人びとはより良い生き方を求め、より広い世界へとつながっていくために、さまざまな文化や知識と触れ合い、まじりあう中で社会とその規範を作り上げてきた。 奈良時代以前から現代にいたるまで、日本人が「人としてどう生きるか」を模索してきた歴史を、日本由来の文化である〈和〉、中国由来の文化である〈漢〉、そして欧米由来の文化である〈洋〉の交錯の中から描き出す画期的な一冊。 序 章 百科事典のある家/教養とは何か?/教養の効用とは?/担い手と受け手/本書の構成と目的 第一章 奈良時代以前―〈漢〉の摂取 文字文化の伝来/儒教/仏教/道教/『万葉集』―山上憶良/『万葉集』―大伴家持 第二章 平安時代―〈和〉の確立 第一節 〈漢〉の展開 嵯峨天皇/白詩渡来/菅原道真/『枕草子』香炉峰の雪/『和漢朗詠集』の白詩/三舟の才/大江匡房 第二節 〈和〉の確立 仮名文字の発達/『古今和歌集』小野小町/『伊勢物語』芥