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ブックマーク / www.msz.co.jp (12)

  • 世界目録をつくろうとした男 | 奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生 | みすず書房

    世界書誌、国際十進分類法、世界宮殿、 そして「ムンダネウム」。 知識ネットワークによる世界平和の実現に挑み、情報学の土台を築いた型破りな奇才の生涯。 20世紀初頭、人類のあらゆる知識を収集して分類し、だれもが利用できるようにするという壮大な夢に取り組んだベルギーの起業家、平和活動家ポール・オトレ(1868-1944)。 国家主義が台頭するこの時代、オトレが同志アンリ・ラ・フォンテーヌと共にめざしたのは、世界的知識ネットワークによって世界をひとつにする、というヴィジョンの実現だった。 オトレたちは、世界中の出版物の情報を索引カードを用いて収集する巨大目録「世界書誌」の編纂に着手し、「国際十進分類法」を考案する。さらに、言葉や図、写真、映像やものなどあらゆる「ドキュメント」を収集・保管・編纂するための国際センター「世界宮殿」も具現化した。第一次大戦の後には、国際政府の拠点とすべく、国際図書館

  • 遠読 | 〈世界文学システム〉への挑戦 | みすず書房

    テクノロジーや流通の革命・発達により世界がネットワーク化する今日、ごく少数の「正典(カノン)」(世界で刊行される小説の1%にも満たない)を「精読」するだけで「世界文学」は説明できるのか? 西洋を中心とする文学研究/比較文学のディシプリンが通用しえない時代に、比較文学者モレッティが「文学史すべてに対する目の向けかたの変更を目指」して着手したのが、コンピューターを駆使して膨大なデータの解析を行い、文学史を自然科学や社会学の理論モデル(ダーウィンの進化論、ウォーラーステインの世界システム理論)から俯瞰的に分析する「遠読」の手法だ。 書には、「遠読」の視座を提示し物議を醸した論文「世界文学への試論」はじめ「遠読」が世界文学にとりうるさまざまな分析法を示す10の論文が収められている。グラフや地図、系統樹によって、世界文学の形式・プロット・文体の変容、タイトルの傾向や登場人物のネットワーク……が読解

  • マンガで読む 資本とイデオロギー | みすず書房

    「今日までのあらゆる社会の歴史は、さまざまなイデオロギーと正義を追求する、闘争の歴史である」 ――トマ・ピケティ 不平等の原因はなんなのだろう? なぜ不平等はなくならないのだろう? ある貴族の家系を、フランス革命、帝国主義、ふたつの世界大戦、戦後の高度成長期、そして1980年代の保守革命から、格差が拡大する現代までたどり、その8世代の人々が直面した富と社会の変貌から、こうした格差の謎にせまる。 不平等の歴史的変化を理論的に分析してきた世界的権威の仕事を、わかりやすく理解できる入門書。 1901年 ジュール[年代と家系の登場人物] 累進税の揺籃期 20世紀初頭の不平等なヨーロッパ 税金――自由、平等、定率? 累進税、それは再分配のツール 1789年 ピエール & ジャン=バティスト ロッド、強制賦役、バナリテ――頂点に立つ貴族 貴族、聖職者、第三身分――不平等な三層社会 1789年、特権の廃

  • カフカの日記【新版】 | 1910-1923 | みすず書房

    〈日記を読んで心を動かされる。これは今のぼくに、もはや少しの確信もないせいだろうか? あらゆるものがぼくには仮構であるように見える。他人のどんな言葉も、ぼくがたまたま見たどんな光景も、ぼくのなかのすべてのものを、忘れていたものやまったく無意味なものですら、別な方向へ転がしてしまう。ぼくは前にそうだったよりも確信がなく、ただ生命の力だけを感じている。そしてぼくは意味もなく空っぽだ。ぼくは当に、夜、しかも山のなかで迷ってる羊か、もしくはその羊のあとを追いかける羊のようなものだ。こんなに見捨てられていながら、それを嘆き悲しむ力を持っていないのだ〉(1913年11月19日) カフカの研ぎ澄まされた五感が捉えた日常、それを受けとめるカフカの心の世界。書くことへの思い、フェリーツェはじめ女性への苦悩、父との葛藤、不眠の苦しみ、ユダヤ人社会のこと、詳細な夢の描写、さまざまな創作スケッチ… そのすべては

  • 核燃料サイクルという迷宮 | 核ナショナリズムがもたらしたもの | みすず書房

    社会・教育・メディア自然科学・医学社会ノンフィクション科学史・科学思想 紀伊國屋書店ウェブストア Amazon.co.jp honto のネットストア セブンネットショッピング 楽天ブックス Yodobashi.com 紀伊國屋書店Kinoppy honto電子書籍ストア 電子書籍ストアBookLive! Amazon Kindleストア 電子ブック楽天kobo Apple iBooks Storeで購入 eBookJapanで購入 SONY Readers Store 日のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。 日では、戦前から続

  • ロールズ 哲学史講義 下【新装版】 | みすず書房

    「自由の要請はいっそう根的なものである。それはわたしたちの理性が自然の秩序から独立であることを、またしたがって純粋理性の自発性を、前提することだからである。そのようなものとして、自由の要請は、自己の行為にたいして責任能力と弁明能力があると見なされるわたしたちの存在の基盤なのである。」(「カント VIII」より) ロールズ教授によるハーバード大学名講義の下巻は、カント講義の後半から、終章のヘーゲル講義にいたる。 真なる前提と正しい推論によって妥当するカントの道徳的構成主義。わたしたちの思考と判断の最高権威である道徳法則。そして、絶対的に自発的である純粋実践理性による自由の理念。こうしてカントの道徳的構想は、自由で平等な人格としての全員による貴族制を望見する。 いっぽうヘーゲルにとって、諸個人は独力では自由でありえない。家族、市民社会、国家という合理的な社会的諸制度が、公民の自由を可能にし、

  • ロールズ 哲学史講義 上【新装版】 | みすず書房

    「道徳哲学の歴史に関するロールズの思想の中心にあるもの、それは、わたしたちの伝統がもつ偉大なテキストのなかに、人生をいかに生きるべきかに関する多くの困難きわまりない諸問題に甘んじてかかわろうとする、偉大な知性たちの努力を見ることができる、という考え方である。」(「編者の緒言」より) 『正義論』によって現代の政治哲学に深甚な影響を与えたロールズ教授の、30年におよぶハーバード大学での道徳哲学をめぐる名講義をまとめた大冊である。 穏やかな情念と厳密な理性の連携が、合理的熟慮と人為的徳を導き、そこから生ずる道徳感覚は、人間性に内在する自然な事実である、とするヒュームの心理学的自然主義。神が創造した最善の世界のもとで、自発的で個別的な理性的魂が、各々の内なる知性の自由を表現する、というライプニッツの形而上学的完全性主義。そして、理性の理念としての道徳法則に基づき、総合的かつア・プリオリな定言命法

  • 文化的コモンズ | 文化施設がつくる交響圏 | みすず書房

    博物館・美術館、図書館、公民館、劇場・ホールが 居場所となり、出番をつくる。 文化施設を社会的共通資として営む、 成熟社会のまちづくり新スタンダード。 成熟期にあるこれからの日では、博物館や美術館はもとより、図書館、劇場・ホール、公民館、福祉施設、教育施設、アートプロジェクトなどの文化的な営みや文化資源の集積が、地域づくりの重要な役割を果たすのではないだろうか。文化活動が地域に新たな価値をもたらし、住民の自治を育み、地域づくりの基盤をなすことが期待される。 その流れにあって、近年、文化施設の総体を「文化的コモンズ」と捉え、議論をする機運が生まれている。この概念が分野の境界を越えて人びとを結びつけ、地域の活動に新たな価値をもたらしている。 書は、日文化施設の成り立ちをふりかえり、役割や意義を論述するとともに、過去の例に学び、成功例を示し、新たなパースペクティヴを得ることをめざしてい

  • 給料はあなたの価値なのか | 賃金と経済にまつわる神話を解く | みすず書房

    私たちが労働の対価として受けとる給料。では、その額は、あなたの市場価値の反映なのだろうか? 私たちはみずからの生産性と職種によって、給料の額は客観的に決まると考えがちだ。だが、果たしてそれは当だろうか? ならば、弁護士のほうが教師より価値ある仕事なのか? 警官や大学教授、記者の仕事を公平な基準で正しく評価できるのだろうか? じつは、多くの人が「誰がいくらをなぜもらうのか」を知らないまま、神話にとらわれていると著者は述べる。 書は、アメリカの社会学者がさまざまな企業・業界の実態調査に基づき、常識への反論を試みる書である。給料を決定する4つの要因(「権力」「慣性」「模倣」「公平性」)を手がかりに広く信じられている誤解を解き、給料を上げるための方策と真に公平な賃金制度への道筋を示す。コロナ危機を踏まえた「エピローグ」を収録。 パート1 給与についての疑問 第1章 何が給与を決めるのか? 権力

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  • パゾリーニ詩集【増補新版】 | みすず書房

    異端と醜聞、歴史と性愛の交錯点で20世紀イタリアを駆け抜けた大詩人。生誕百年を過ぎて増す評価と関心に応えるべく詩業の変転をたどる論考を加えた決定版。 [初版2011年2月17日発行] 詩人としてのピエル・パオロ・パゾリーニ(四方田犬彦) 『最高の青春』より 献辞 美しき少年の連禱 ハレルヤ ぼくが死ぬ日 コーランの聖約 ナポレオンの兵士 チンティン 最高の青春 『カトリック教会のナイチンゲール』より 言葉 磔刑 マルクスの発見 『ローマ 一九五〇』より ローマ 一九五〇 『グラムシの遺骸』より ピカソ 政治集会 グラムシの遺骸 掘削機の涙 『わが時代の信仰』より わが時代の信仰 新しい墓碑銘 赤旗に 同時代の文学者に ベルトルッチに G・L・ロンディに バルベリーニ殿下に チルコロ・デラ・カッチャの貴族たちに ボンピアーニに わが民族に 死に寄せる断章 『薔薇の形をしたポエジー』より ギニ

  • ゲノム裁判 | ヒト遺伝子は誰のものか | みすず書房

    科学技術の発展は、人類にとって歓迎すべきことだが、その利用が重大な人権問題につながる場合もある。嘘発見器による冤罪事件や、警察の捜査に利用されるDNA鑑定技術がはらむ諸問題、遺伝子情報を根拠にした差別的扱いなどが代表的だ。 アメリカ自由人権協会(ACLU)科学顧問のターニャ・シモンチェリは、協会が管轄する、科学と人権が交わるこうした問題に、科学的助言を行う立場にあった。そんな彼女は2005年のある日、同僚にこんな相談をする。「“遺伝子特許”には問題がある」。この小さな相談が、世界中の注目を集める歴史的裁判のはじまりだった――。 「ヒト遺伝子に特許は認められるのか?」 このシンプルな問いに、合衆国最高裁が審判を下したのは2013年。足かけ8年の舞台裏には、がん患者や疾患の遺伝的保因者、研究の自由を求める科学研究者、特許で利益を得るバイオ業界、そして原告・被告双方の訴訟弁護士や特許を承認してき

  • 認知アポカリプス | 文明崩壊の社会学 | みすず書房

    人類はいま史上最長の自由時間を手にしている。労働など生命維持のために必要な時間は1800年の48%から11%に減った(フランスでの統計)。先人には夢のようなこの時間が向かう先は、スマートフォンなどの画面である。そこでは正統な学知とデマが対等となり、世界を単純化するストーリーや、注意を惹くためだけに設計された広告が人の認知を奪い合う。AIが人間の仕事を代行するようになれば、自由時間はさらに飛躍的に増えるだろう。しかしそれは意味のあるものを生むために使われるのではなく、認知の争奪戦が繰り広げられる市場でただ蕩尽されて終わる可能性が高い。 高度な文明の源泉は人間の脳である。気候変動などの危機を乗り越える可能性も、人間の脳からしか生まれてこない。この頭脳を働かせることのできる時間が最大化している現在、それを貪ることで利益を上げる経済モデルにわれわれは直面しているのである。この状況は、生存可能性を高

    認知アポカリプス | 文明崩壊の社会学 | みすず書房
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