ネットワーク状錯体 ということで、前回の続きです。 藤田教授の研究は、こうしたケージ状錯体だけにはとどまりません。こうしたケージが無限に繰り返された構造を持つ、ネットワーク状錯体の研究にも力が注がれています。藤田教授は、実際にはこちらの方を早くから手がけていたのですが、当時(20年ほど前)の技術では構造の解析がなかなかうまくいきませんでした。近年コンピュータの発達などによって、こうした格子状錯体の解析も可能となり、研究の道がようやく開けたのです。 例えば、先ほどのケージ状錯体に用いたと同じ配位子を、ヨウ化亜鉛(II)及びトリフェニレンと混合すると、内部に網の目のような空間を持った、ネットワーク状の結晶が出来上がります。いわば、先ほどのケージ錯体を、びっしりと3次元空間に詰め込んだようなイメージです。 ネットワーク状錯体。角度を変えて見たところ。 この細胞のようなひとつひとつの空間もまた、「
![ケージ分子で時間を操る(2) 〜藤田誠研究室〜 - 科学が変わる、化学が変える。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/aec88cade8d1e5dff6d1e0d7008fb97873970dbc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.image.st-hatena.com%2Fimage%2Fscale%2F50d44704d7df456a602bf6f3bb38750a1ba94279%2Fbackend%3Dimagemagick%3Bversion%3D1%3Bwidth%3D1300%2Fhttps%253A%252F%252Fcdn-ak.f.st-hatena.com%252Fimages%252Ffotolife%252FT%252FTodaiGCOE%252F20091001%252F20091001101557.jpg)