師走の喧騒もすっかり落ちつく12月30日。毎年この日になると仙台市内の繁華街に、あの頃、甲子園を沸かせたメンバーが顔をそろえる。2004年、ダルビッシュ有を擁して、春夏甲子園に出場した東北高校野球部のメンバーである。 「僕ら卒業してから毎年、同窓会やっているんですよ。1回も途切れることなく。銀行員とか、いろいろな仕事をしていて、この会を楽しみに1年間、頑張るっていう奴も多いんです」 真壁賢守はちょっぴり誇らしげだ。記憶にある高校野球ファンも多いだろう。ダルビッシュを好リリーフし、「史上最強の2番手投手」とも言われた黒縁メガネのサイドハンド。彼が同窓会の幹事なのだ。 ただ、これまでの12回。青春を語らうその集まりに一度も姿を見せていない男がいる。 「有には声かけていないんですよ。これまで絶対に来ないと思っていたんで……」 高校球界では、才能もメンタリティーも異次元の存在。 あの年の東北高校は
![マカべッシュが語るダルビッシュ。東北高校野球部が1つになる日。(鈴木忠平)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/efe0138a1031f62d43047645d020ed4891dfddc4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F6%2Fc%2F-%2Fimg_6c395f4b437d7274436abeae231cc12593658.jpg)